2011年10月04日

バンコク日記

寒いですね。

確か、昨日までは汗腺もゆるやかに、汗をだらだらかいていたのに、今朝のこの寒さに驚きました。
もう10月なんだなあ。
衣替えをしなければ。
ずっと夏ならいいのになあ。

バンコクは暑くて楽しくて、それはそれはよかったです。
あまりの幸せさに、小僧なんか「そうだ、日本で一生懸命働いてくれるおとうさんにファンレターを書こう」と言い出す始末で。
アパートのかっちょいい机を使ってみたかっただけ、という気もしますが。

サイアム民俗博物館はよかったです。中華街にある、中華博物館も。
私の博物館好きを、長いお付き合いでよくよく知っているタイの友人、今回のおすすめどころはしっかりツボを押さえてくれていました。
娘は、チュラロンコン大学構内見学で、学生を捕まえてはブロークンイングリッシュでいろいろ質問しまくり、学生さんのあまりの親切さと施設に、大満足。・・・そこにいけるかどうかはまた別のお話として。
パラゴンデパートは高級すぎて居心地が悪く、お買い物したのは結局、本屋さんと近所のスーパーマーケットとコンビニと路上ぐらい。
デパートも半額セールとかなんだけど、サイズがないし、寒いくて長居できないしさ。
そういえば、東京でも小僧と一緒にでかけるのはスーパーマーケットが一番多いわけで、国が違っても東京で暮らす延長みたいなバカンスでした。
タイの友達や初めて会う日本人と話をして、「しまった、次の予定が!」と、結局パタパタ走り回っているのも、東京スタイルのまま。
だけど、住んでいる所がプールつきのサービスアパートで、何より食事を作らなくていい、家事をしなくていいのが天国でした。

ゆっくりできたか、といえば、なぜだかとっても忙しかったのだけれど、携帯電話に追われることなく、持っていったiPadも繋がらないからしょうがない中、ワンワードイングリッシュで経験値を増やし、ボールを介してタイ人と友達になっていく小僧を見ているのは本当に楽しかったです。
小僧自身も、頭の中でドラクエのあの音が鳴り響いていたらしい。
「ふくすけは けいけんちがあがった!」
って、アレね。ちゃらちゃちゃっちゃー ちゃっちゃー♪
事前にドラクエをやらせた相方の深謀遠慮に感謝したよ。街で人に話しかけて情報を集めるのは旅の基本だからね。
相手の文化の尊重とか、相手の気持を推し量るという、レベル10みたいなレッスンには至れなかったけれど、コミュニケーションのためのソーシャルスキルを上げるトレーニングとして、タイは最適だと思いました。
「外国人」というハンディーキャップが予めいろいろなことの免責になり、「外国人」という特殊な立場が相手の受け入れ土壌を作りやすくする。
もちろん、私自身に対するクリアポイントのハードルも低くなる。
だって、ブロークンすぎてタイ語が通じないことなんかしょっちゅうなのにさ、相手はニコニコ「マイペンライ」と言いながら理解しようとしてくれるんだよー。赦されている、という安心感をもらえば、子どもに対して赦しの気持ちになるのも当然で。
日本人は完ぺき主義だしマジメで几帳面で、だからこそ日本は強いのだし素晴らしいけれど、ちょっとソレだと疲れちゃうこともあるよね。
がんばりすぎたら、休む。
ゆるゆるでもいいんだよーという最高のリラックス場所として、私はタイを愛しています。
できれば、私自身が、そういうマイペンライな空気を出せる人になりたいと痛切に思うのだけれどね、
「忙しがり」を、まず何とかしなければなあ。

いつも気難しい仏頂面の娘が
「ここの人たち、親切すぎる。うれしい。いつもニコニコ笑っていて、超気持ちいい」
と、意識的に口角を上げようとしだしたのも、大変にいい影響。
要所要所だけはチェックするし、何よりタイ人の友人一家が強力すぎるバックアップをしてくれる前提はあるのだけれど、基本計画も、移動の時のツアコンも、決定権を娘に委ねてみた。
時々カンシャクを起こしそうになるのを見ているのも面白いんだが、カタコトの英語とワンワードのタイ語でそれなりに仕事をこなしていく娘は、徐々に「ノー!」もいえるようになっていく。
タイで初対面の日本人との距離感も、気を使いすぎず、いい感じだった。そりゃまあ、初対面といったって、すでに大好きな友だちの妹さんだから、人格は保証済みなんだけどさ。

「ああ、もう大丈夫なんだ。この人はどこでもたくましく生きていける」
と、娘を見ていて、しみじみ思いました。
帰国便での熟睡ぶりと、成田から直接学校に行き、部活までやって帰ってくる気力と体力もね。
義務教育終わりの、我が家の修業試験、ほぼ満点でクリアです。
絶対評価にしてアジア基準だから、鈴木さんちの低〜いハードルは、越えやすいんだけどさ。

帰国後。
突然部屋が荒れ放題であああメイドさんが欲しい(泣)と思いながらのってりのってり動いている私を尻目に、私の友人の息子さんと英語でネットですごい勢いでチャットしている娘を見ました。
ブロークンが定着しそうだわ。
それまでピカピカに磨くまでは誰にも見せないお部屋にしまっておくつもりの「英語」という作品を、作品ではなく道具としてまず使ってみる、という場所に持ってきたのは悪くない。
さらにタイ人男子を、先生として一日一言記憶していくのはいい。
そのタイ人男子が美形でかっこいいのも、かなりポイント高い。
でも、今日は衣替えも含めて、帰ってきたら自分のお部屋のそうじを頼むわよ。

タイで何を見てきたか、というと、結局私は子どもを見ていたようです。
好物、好物。結局は好物に落ち着くんですね。

笑えるトラブルは、また追々。

2011年10月04日 09:53