体の奥底から、久しぶりに、うずうず沸き立つものがあります。春です。
ビオラやバイオリンに対して、チェロやウッドベース。
ウルトラマンのように、巨大化した楽器が好きです。
低音がね、たまらなく好きだ。
でも、バンドの真似事をしたときも、ベースには手を出しませんでした。私はリズム音痴なんですね。
だからドラマーに弱いです。
ライブハウスに行くと、ずーっとドラマーばっかり見つめる癖がある。感動的だよね、ビートを刻めるって、その才能が。
お琴にも、十七弦、巨大なお琴があります。普通は十三弦なんです。
そのうっとりする低音を初めて聴いたときから、触ってみたい!とは思いましたが、自分には到底そのパートを勤める勇気はありませんでした。だからただじーっと見つめるだけで。
ところが今日のお稽古で、先生が特別に触らせてくださったのです。
しかもあろうことか、練習してもいいと!
夢?
初めて触る十七弦は、憧れの先輩とデートしたときのようなときめきでした。
でも、当然ちっともいい音は出てこなくて、ただぎこちなく、幸福と挫折感が入り混じる、奇妙な感覚で、お稽古の三時間が本当に15分ぐらいにしか感じられず、びっくりしました。すごい。すごい。すごい。楽器ってたのしーい。超下手でも、その音がとにかく心地いいと、もうダメだ。恍惚感に近いよね。
なぜか鼻の下を伸ばすというか、唇を内側にかみしめるクセがあるので、ずっと猿の物まねみたいな状態のヘブン顔で、三時間弱のトランス状態でした。
いいお師匠さんというのは、感応力なのかなあと思います。私の考えていることも、生活も、性格も、好みも、特技も、なんとなく見透かされてしまう。
ただ体がでかくて手がでかい、という、そういう理由で抜擢されたのかもしれませんが、とにかく好きな楽器には触れるだけでなんかとっても幸せだわ。
また初心に戻って、しっかり練習していきましょう。
ええーっと、十七弦はもし購入するとなるとおいくらぐらいで……と伺ってみたところ、百万からね。と、にこやかにいわれ、絶句。多くの先人は、板に糸を張って、その配置の感覚を磨くといいます。うはー。早速工作だわ。
そんな高価な楽器を扱うに値する自分にならなければ、いかんです。
ああ、20年若かったら!もっともっと耳が喜び、指が動いただろうにと思うと、なんとも残念ですが、幸いまだあと20年は生きられる。多分。おばあちゃんになったとき、自在に弾きこなせていたらいいなあと思います。四十の手習い、この高揚感は、わるくないなあ。
三味線への道も、うずうずうずうず……。
ああ、春っぽいなあ。
2008年04月22日 16:06HOME |
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