2008年03月01日

初めての経験

「腹の中黒い私1号」出動!と発令されて、のわのわのわーっと愚痴モードに入り、キーボードを叩き壊す勢いで呪いの言葉をつづっていた瞬間。
ポーンと飛び込んできた、ある方からのメール。
黒い霧が早まわしフィルムのようにしゅるしゅるしゅるるるるっと一気に晴れて、あたり一面お花畑ですよ。いい匂いですよ。温かいですよ。メールなのに。ぜんっぜん関係ない内容だったんだけどね。

そうなったときに思ったんだけどさ。
憎しみより、愛のほうが、案外、楽チンなんだなあって。

ムカムカしてイライラして全部その毒を何かにぶつけたところで、毒を作り出している原因は自分にあるんだから、そうそう事態はかわりゃしない。
毒ダシはしないと体に悪いから作っちゃった毒はとりあえず吐いとけ、とは思うんだが、毒作るのは自分の劣等感だったり、過去の汚点だったり、運や間が悪かったりする話でね、誰恨んだってしょうがない。なのになんだか勢いよく噴出すんだよなあ。
仮に、誰かのこと悪者にしたところで、吹聴する私がバカに見えるからね。さすがにできない。それで問題が解決するわけじゃないしさ。
だからキーボードにドロドロカタカタドロドロカタカタうちつけるわけだけど、悪い感情っていうのは次から次からもりもり沸いてきて、頭に血が上った分、変に元気になっちゃったりして、忘れていりゃいいのに余計なことまで思い出してさらに怒りのエネルギー補填してるんだよね。
……だよね、といわれても(苦笑)って読み手が戸惑うとこですが、すみません、勢いで進みます。
でもね。
でもさ。
ここでわかっちゃったのよ。
なだめきれないほどの煮えたぎる苦しい怒りを、実は「愛」が簡単に消し去ってくれるんだって。なんだろう、うまく例えられないんだけど、上がった火柱も一発投げ込めば即鎮火!みたいな商品があればいいんだけどな、まさに、そういう感じなんだけど。で、そういう事態に、すごく驚いちゃってさあ!
……ご存知でしたか? 
うーん、もしかしたら、大人ならみんな知ってるのかも。
鎮火玉、その名は「愛」。
すみません、今更、実は初めてのエクスタシーを経験しまして……みたいな告白だったかも、ですね。晴れて大人の仲間入りってことで。

愛するお友だちからの、友情あふれる言葉は、自分の中の毒の素、その根源を揺り動かして、静かにすばやく浄化してくれる気がした。ホントに、スッとね。
で、こういういい気持ちに身を任せていたほうが、生きていくの、絶対に楽だ。

怒りに任せて一晩で大量の仕事仕上げて、もらったギャラでぱーっと憂さ晴らしできた若い頃とは違って、ネガティブな感情に浸りきってることが苦しくなってきちゃってた時期だったんだと思う、血圧も上がるし。
逆に言えば、もう「原稿にしないではいられないような情熱」そのものがなくなった、青春の終わり。ともいえる気がするんだけど……こういう「年の功」みたいな経験は、やっぱりお伝えしたくて仕方なくて、まあこんな風に、書いちゃうわけですけどね。

2008年03月01日 18:41