ちょっと病んでいるかもしれない。だって、瓶の蓋が、次々と開くのである。
アシスタントの戸沢さんの怪力は我が家では伝説と化しており、ゴム製の瓶の口をあける器具を「戸沢の手」と呼びその功績を毎度讃えていたのだが、その「戸沢の手」がいらなくなったのである。私も伝説に近づいたのである。
しかし、実は戸沢さんの純粋な怪力とはちょっと違う、邪悪な力なのだ。ダークマターなのだ。
大変に腹の立つ人のことを思い浮かべる。あの一言が!というような状況を、思い起こす。
すると、「んがっ!」と、何でもあくではないか。ひとたびその邪悪な開け方を覚えたら、なんでもぽんぽんいくのである。
これは、「邪気の平和利用」と、最初は喜んでいたのだ。
でも、やがて、結局その人のことやその人の言葉やその人の行為を、私は胸に刻み続けてエネルギーに変えるわけで、この汚染物質の行き所がなくなることに気づいてしまった。
忘却は、精神のエコロジーだったのね。
そんな人やそんな状況があることがまず、問題だったのだ。
そういう卑しい自分を、どうしたらいいのだ。
なんとかしたいが、何も出来ない。こんなネガティブな自分をどうしようもできないのは、きっと病んでいるに違いないが、どうやってこの膿を切り出せばいいのか。
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