ワンデーサッカークリニックがあると、多少遠くても遠征していく。
孟母三遷、福助母いつでも参戦。
で、昨日はあの翼君のドリブルも止めたという、ブンデスリーガにも籍を置いていた奥寺さんのクリニックに顔を出してきた。
奥寺さん、大きい。
器量も、放つシュートの破壊力も、背丈も、ついでに横幅も。
で、福助は奥寺さんのご指名で、みんなの前でリフティングをやって見せ、本番に強いためいつもよりずっとうまくこなして、奥寺さんに「福助君、すごいな。上手だな」と、褒められていたらしい。
そうやって勢いに乗ると大気圏突破も辞さないほど上り調子になっていく(落ち込むとマリアナ海溝の底まで沈んでいく)福助なので、練習試合でも楽しくアシストしたり、シュートを決めたり、それはそれは自在に動き回って、上機嫌。
子どもは褒めると勝手に伸びるみたいだ。
私が褒めてももうどうということはないらしく、むしろ試合中に声をかけるのは集中できなくなるからやめてくれとさえ言われているのだが、明らかに自分よりサッカーのうまい大人に褒められると、それはそれは効果絶大のようで。
単純。
というのは、強みだなあ。
みんな子どもの頃には持っていて、だんだんなくしてしまう才能だ。
私も大概単純なのだが、単純というのは実にいい性格のひとつだと思う。才能と呼ぶには無理があり、あまり自慢にもならず、立派な仕事も成し遂げられない気がするが、生きていくには幸せだ。
午後からは福助の所属する週一、お楽しみチームの練習。私は送迎の必要な福助に随行する。
P子は、一人で少女サッカー部に出かけていった。
もちろん福助は「今日はものすごーく楽しいよ!」と公言するほど絶好調。同じチームの、特に鉄壁女子ディフェンダーたちの活躍があって、三勝一分だった。
女子DFたちがいい場所にいて、胸トラップ、うまいマンマークなどで球を止め、あるいはワンタッチで前線の福助にパスを送り続けたのだ。楽しそうにプレイし、福助が得点するたびに駆け寄ってはハイタッチする。彼女たちも幼稚園の時代から知っているが、実に大きく成長したなあと思う。
いや、チームのみんながそうだ。選手の一人ひとりが、本当にうまくなっている。強くなっている。しっかり走れるようになっている、仲間と協力している、去年の今頃よりもずっと、サッカーを通じて大人になっているのだ。サッカーは「単なるスポーツ」じゃないんだなあとしみじみ思う。
ずっと一緒にサッカーが出来たらいいのになあという気持ちも真実。でも、福助の決めたことでもあり、規定に従って、私は退団届を提出した。
これで、三月にはチームを少年団一本に絞り、スクールにも行くことになる。小二になれば、福助が望むとおり、サッカー三昧の毎日が待っている。
ところで、娘Pちゃんは、私や福助よりもうちょっとメンタリティーが複雑なので、六年生で少女サッカーを続けるべきか否か、また迷っているようだ。
英語劇団のオーディションも間近、あの喝采は麻薬のように彼女を刺激しているだろうし、サッカーは始めて一年、やっと何とか格好がついてきて、最高学年としての意地もあろう。
そこに受験勉強もある。自分が絶対に行きたいと思う学校がある。
日が重なるのだ。だから三つのうち、どれか二つを選ぶ必要がある。
1番好きなこと、1番得意なことが、1番幸せなことだと、単純な私や福助は思う。
それだけをやり続けていられるなら、それが1番いい。
でもPちゃんはどうもそんな単純ではないのである。
正直言って、Pちゃん、鉄壁DFの小1女子より、動けない。それでも、サッカー部に残りたくて迷っているわけで、試合を見に行っても、いるだけお邪魔になるのでは?と思う母には、彼女の迷いがいまひとつ理解できない。
ただ、サッカーというスポーツは、うまい子はうまいなりに、下手な子も下手なりに、とてつもなく魅力的なスポーツなのだろう。
小学生時代、私には無尽蔵に時間があった。一時間が過ぎていくのが遅かった。
やりたいことがありすぎて時間がたりないと嘆く忙しい小学生というのは、放課後のドッヂボールだのお楽しみ会だの、学校がらみの行事に血道をあげていた私の過去と照らし合わせても正直わからないのだが、迷うほどたくさんやりたいことがあるというなら、それはそれで豊かな毎日をP子が送っている証拠なのだろう。
サッカーに関してたくさん褒めてもらい決して迷わない福助と、誰が褒めてくれるわけでもないのに捨てられないと迷い続けているP子。
でもきっと、どっちも、サッカーの関わり方として正しいんだ。
そして、二人とも、サッカーのおかげで、きっと幸せなんだ。
幸せにはいろいろな形があるんだということが、彼らを見ているとよくわかる。
そんな彼らのサッカーを見ていると、うまかろうが下手だろうが、やっぱりサポーターとして、私も幸せになってしまうんだから、同じ穴のムジナだな。
「子どもが一生懸命な姿」には、どうしたって弱い。めろめろ。いいもんだなあ。
しっか〜し!
二人で雪合戦してびっしょりずくずく、これはどんな一生懸命でも、感動しませんでしたがね。
あんたたち、手が真っ赤じゃないのよ!
なんでズボンがこんなにぬれているのにいつまでも外にいるのよ!
びしょぬれのコートを玄関に放置するんじゃありません!
きぃぃぃぃぃ!
今日は雪でサッカー練習がなくて最悪!寒くて外に行きたくない!とか言ってた同じ人が、雪の中ではしゃぎまくり。
姉と弟、雪合戦に燃えた日曜日でした。
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