あんまり勉強すると馬鹿になるよ、
あんたはいまさら何をやったって変わらないんだから、
勉強しようなんて思わないで、
唯一ほかの受験生より優れている点、睡眠時間の確保だけをやっときな。
と、夕べ早く寝かせた。
朝ごはんを食べながら、
今日一番大事なことは、周りの受験生たちはこんな顔をして試験を受けるんだ、
という会場の空気を感じることだ。
成績なんかどうでもいいんだから、ちゃんと周りを観察して、それをお母さんに
ばっちり伝えることだけがミッションだ。
わからなかったら、マークシートは適当に塗れ。あたったらもうけもの。
といって、全国統一模擬試験に送り出す。
今頃、カリカリ問題を解いている最中だろうか。お嬢さん、11歳の晩秋。
学校に出さなければならない気合の入る作文は、もう一度書き直したのでチェックしてくれと置いていった。
これが、実に面白かった。
最初からこういうのを書いてこいよなと思いつつ、公に出すには表現がぶっ飛びすぎている部分を、赤線を引いて注意する。下書きとしては十分、さらに推敲して、書き直せばできあがりだ。
何を思って、手を抜くのか、娘よ。手間は倍になる。
学歴は、実力があれば別に必要じゃない。
だから、やみくもにとりに行くべきタイトルだとは思わない。
だが、タイトルのない人間だった私は、タイトルがないがために、仕事の上で、しなくていい苦労をしなければならないときがあった。何度か悔しい思いもした。
そして、こんな年になって今まさに学歴や資格があれば仕事の展開が広がり面白くなったかもしれないのにという局面に立つことがしばしばで、受験から逃げたヘタレな過去を苦々しく思うこともある。
大事な勝負のときに手間を惜しんで、労力を増やしてきた……あら、娘は私に似ていたのだわ。
まあ、どっちにしろ、みんな、いつかどこかで苦労するんだよな。
お嬢、がんばれ。
| HOME |
|
Topページにもどります |
| AFFILIATE |