五年生の林間学校のことはしっかり覚えている。
くだらない替え歌にしてメモしていたおかげで、未だにいくつか歌える。
そういう記憶を、昨日食べたお惣菜が何だったか即座に答えられるところに使いたいのに。
早朝出発、お見送りに行かなかった保護者は、ごくごく少数だったらしい。
みなさん、バスが発車するまで見送ったって。
はははは。私はその時間、パジャマでぼーっとコーヒー飲んでましたよ。
「荷物重いよー、かついで学校まで行けないよぉ」
と、娘がちらっと言っていた気もするが、
「気合が足らん」
と前かがみで背負わせてしまえば、登山用リュックは何とでもなるもので。
「ほら、歩ける。重いのは気のせいだ」
一緒に荷造りしながら、持ちきれないなら考えて荷物を減らせと言った。
せいぜい二泊三日分の着替えだ。
そのためのアドバイスならいくらでもするし、工夫ならとことん付き合うが、それを親が学校まで持っていくのはダメだ。教育的信念として、というより、お母さんの都合としてダメだ。
小学生のおかあさんになって365日必ず朝7時におきられるようにはなったけれど、最高血圧が90に満たない低血圧の私が、6時台に外出できるはずがない。30分はじーっと朝日を浴びないと動けないんだから、そのためだけに何時に起きろと言うの。って、イグアナか?
最近のお子様たちは過保護な気がする。
私の時代には全部自分で準備したもんだけどな。
荷造りのコツを教えながら、そう娘に言っている自分。
ああ、これは。
子供時代の私が俯瞰(ふかん)して、
「やっぱり中年になるとこんなこと言っちゃうんだー」と頭を抱える。
覚えておこう、大人に言われて嫌だった言葉♪と替え歌が流れるよ。
「だって、お母さんのときとは、時代がちがうじゃん。って、言いたくない?」
と、荷造りしていたP子に言った。母・ヨシコには言えなかった台詞。
P子は苦笑いで軽くうなづいた。
今ごろ楽しく山のぼりしているだろう。
ああ、あの時同じ班だった青木さんや原さんは、今ごろ何してるかなあ。
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