2006年12月03日

小学校は役員選出の季節です

役員選出の話し合いに出る。
私はオトコらしく、さっさと手を上げてしまったのだが、誰も私の後に続かない。
俺と一緒に苦労してくれと笑いはとれても、誰も私と目を合わせてくれない。
人徳がないんだなと少しへこむ。
仲のいい友達を誘ってもいいんだろうけど、それぞれの事情もよく知っているだけに、声はかけにくい。押しの強い私に誘われたら、断るだけでいやな思いをするんじゃないかと、私はそんなとこばっかり気が弱い。

立候補がでない、という待つ時間が苦手だよ。だからさっさと手を上げた。
私がいただいているご恩をお返しできるなら、なんだってやると決めたからだ。
でも、そのあとに各人、できない理由をとうとうと述べられると、なんかこう、ゆう子さんは物好きで暇な人だと言われているような気がして、割といたたまれなくなる。
しかも荷が重いから今回は降りるなんていわれると、何も知らないで飛び込もうとしている自分の間抜けさ加減に、不安もつのってくる。
今年はかくかくしかじかで無理だけど、来年にはやりますよんときっぱり宣言してくれた人もいたので、事情を述べるのも大事だということには気づいたが。
やがて、来ない人の批判も出てくる。
でもさー、萎えちゃうからあんまり聞きたくないんだ。
気持ちはわからないでもないが、話し合いに来ない人はよほどの事情か、気持ちのない人なんだし、立候補できない点においてはきてもこなくても結果は同じなんだから、まあ放っておけばとも思う。
私は人を批判できるほど、多分PTA役員として上等な仕事はこなせないんでね、なるべくそこは黙っていようと思うんだ。能力が低いというのは、悪いことばかりでもない。これがプロの方の仕事となれば、当然できない人に対して厳しいことも言うからさ。

そもそもPTAってなんだろうな。
みんながいやがる「どぶさらい」みたいなものだったら、全員持ち回りって言うのもわかるけど。ボランティアって、必ず自分にかえってくるものなのに。
意義あることだぜ、子どもを守るんだから。チャンスなんだぜ。小さなころにあこがれた戦隊ヒーローになれるんじゃー。面白い経験だって待っているに違いない。物理的に活動する時間もやりくりは大変だろうけど、時間は作ればなんとでも。

……いや、嘘だよね。
どこかでちゃんと、大変なのわかってるもの。率先して立候補したけど、やりたくてやりたくて、というわけではない。
みんな大変なのはわかってるから、役員選出委員っていう、役員やりませんかって声をかける係りの人が痛いほど気を使うんだ。
幼稚園で会長やったのとはわけが違う。規模も姿勢も規律も、何よりおかあさんたちの考え方が。
仕事のキャリアも収入も停止させて、ボランティアのために時間を作らなければならない。フルタイムで働くことが免除の理由になっているなら、その間お金もキャリアも将来の年金まで全部自分のために貢献しているAさんのほうが、どう考えたって、ただボランティアに精出して社会に貢献するゆう子さんより、税金分支払ったってお得に見えてしまうあたりも、卑しい。
家事だって滞れば、また相方に迷惑もかかってくる。うちは在宅だから相方に昼ごはんを作るのが私の仕事だということも、まわりに理解されるとは思えない。時折ではあるが、深夜に寝ないでやる私の稼ぎ仕事の形態も、多分わかってもらうのは難しい。

そうか。損していることを、わかってもらえないことに、いらだっていたのか。
誰にわかってほしかったんだ? 要領よく逃げている人にか? PTAを愚弄する世間にか?
でもそれは「役員ざます。こーんなにたいへんなんざます」と恩を着せて、感謝を強要しているのと同じだから、ひどくはしたないよな。
その仕事が、有償であれ無償であれ、そこにどんな価値と輝きをみつけていくかは私の手腕なんじゃないか。
結局、重圧感は自分の中で解決するしかないんだと気づいて、ほら、一歩前進だ。
また寝たきりの舅に会いに行く回数が減るけど、義父も義母も怒らないと思う。
こんな風に、PTAの仕事は役員一人だけの問題じゃなく、その家族もいやおうなく協力させられるのだ。家族のあり方も試される。家族の中で自分のポジショニングがどんなものかも試されるだろう。お金払ってカルチャーセンターで家庭のあり方チェックしたり、そういう講座を学ぶより、ずっといいぞ。
仕事の合理化を学ぼう。時間の使い方も特訓しよう。特に慣れない仕事には何が大事なのか、前任者からしっかり学ぼう。誰よりも仕事ができる人であるためには、無償の仕事だって、「経験」に損などないはずだ。

やらなくてすむなら、できればやりたくはない。
でも、きっとそう思ったら私は動けなくなるんだから、その中から楽しいことをできる限りみつけていくんだ。
要領よく逃げる人を疎ましく思う気持ちもあるよ、正直に言えば。ただそういう負の感情が大きくなっていく時間が惜しい。大きくなって手がつけられなくなったら、今大好きなママ友のことだって嫌になっちゃうかもしれず、そうなったら困るから、もう、そっちは見ないようにするんだ。

できないことなら、できるようにすればいい。工夫は私の得意技じゃないか。でも、そういうことは、誰かに無理強いすることじゃない。私自身の課題だった。
同じ労働なら、せっかくだから楽しくやりたいなあ! 執行部である役員合計12名、もうすでに会長は決定しているし、今日は欠席するけど私も来年やるから、頭数に入れておいて!!といううれしい声も聞いた。頼りになる人は必ずそばにいる。事情があって役員はできなくても、できる限り協力は惜しまないといってくれたママ友もいて、世の中捨てたもんじゃないのよ、本当に。
執行部、いいメンバーに恵まれますように。

2006年12月03日 00:08
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