就学相談でわかったことがある。
それをそのまま沈めてしまうのは惜しいので、誰かに活用して頂きたく、コラムに残す。
このwebに、迷えるおかあさんがひっかかってくれたらいいなと思う。私の経験が誰かに生きれば、それは何よりの喜びだ。
1)就学相談は、自分の療育自慢をするところではないと知ること。
私はこれでミスった。あまりにも正直に赤裸々に生育歴などを問われるままに語ったために、病名が一人歩きし、本来の子どもの能力よりも低く想定されたと思う。語るべきは客観的な観察記録だけでよい。療育の経過はむしろ不要。「現状」を見てもらうことが大事。
2)就学相談前に、できれば通級や身障、養護をしっかり調査し、自分の行きたい進路をある程度設定しておくこと。
私は「行かない」前提にあったので、万にひとつも判定が出たなら調べればよい程度で、全く調べておらず、後手に回った。しかし、これは間違えで、相談時にはっきりと意志を伝えるためにも、就学相談をするからには通級する学校ぐらいは見ておく、できれば先生と話しておくことを勧める。知らないのに要不要を語ることなど出来なかった。
最低限知っておいて頂きたいのは、情緒通級は、ある意味、コミュニケーションが難しいタイプの人間にとってはオアシスであるということ。
障害に限らずいつでもそういう場所があることを、健常者の保護者も広く理解しておけば、自信喪失や鬱などの二次障害、不登校、いじめ、自殺などの命綱にもなりうると確信した。
3)就学相談では、目的を明確にすること。
私の場合は、自分の行きたい学校にデータを渡し、特別支援を受ける場合の注意点を促したいだけなので通級は全く希望しないと申し上げたのだが、もっとハッキリ、再三わかりやすく言うべきだった。その時点で、情緒学級について知っておけば、より説得力を増したはずだった。
あるいは人によっては強く希望するかも知れないので、そんなときには遠慮無く、強く希望と言った方がいい。彼らだって忙しいから、保護者の心の裏までは読み切れなくても当然だ。余計なことはいわず、とにかく希望は明確に伝える。
4)通級を勧められた保護者の方は、それを妙な烙印とは思わないこと。
私は教育委員会の就学相談説明会の時に、あまり誠実ではない説明を受けたため、通級に対して偏見を抱いていたが、たくさんの経験者の方からのご意見で、そこを修正するに至った。偏見は、教養のなさの露呈なので、恥ずかしい限りだ。
通級判定は、特殊学級に行けという命令ではない。選択肢がひとつ増えたという程度の認識で十分だと思う。教育委員会や判定委員会も、ものすごい本気で、ものすごい根拠をもって勧めてきているわけではないと知った。地域差はあるかもしれないけれども。
それよりも直に幼稚園の先生に日頃の問題点を聞いて、客観的に判断する指針にするとよいと思う。ただし幼稚園の内申書は教育委員会から提示してはもらえないため、幼稚園がどういう判断をしているか、本音を知るのは難しいかもしれない。園とよりよい関係を築いていることが前提になる。
5)別の可能性も探ること。
例えば、普通学級に不安があれば、通級ではなく身障も焦点にいれてみるぐらいの柔軟性を持つといい。私は通級にひっかかるはずがないと自信を持っていたために、意図が違うところにある判定を目前に、パニックを起こした。
普通で、通級は必要かなあ…と思ったら、身障も。身障でいけるかなあと思ったら養護もチェックしておくことをお勧めしたい。
そして偏見を捨てて、案外きめ細かく療育して頂けるかもしれないなど、利点をしっかり探しだそう。それぞれの学校では先生の力量が違うため、その辺りの情報収集も徹底して行いたい。
5)-b あるいは、必ずしも公立ではなく、障害に特化した私立もあるかもしれない。不登校になったときのためにフリースクール、プライベートの教師、私塾なども調査しておくとよいと思う。
私は今回、突然思いついて例えば国立の受験、私立の受験というのはどうなのかと想い、徹底的に調べてみた。福助に特に問題がないと確信しているのに、支援を頂かなければいけないと発想するのは、公立の人数の多さと、カリキュラムの不安定さと、一律の指導要綱、その割にバラエティーに富む級友を見越すからだ。
はなから少人数教育を謳う学校、特殊能力を活かす学校、知能指数を重視する学校なら適応できるのではないかと検討し、意外と特技さえあれば適応出来そうな学校や、上手く受け入れて能力を伸ばしてくれそうな特色ある学校も多いと知った。
今年のお受験に対応していなかったので今回は見送るが、そういう手もあったかと発想の転換が遅かったことを悔やむ。先行して兄弟を入学させるという戦略もあった。中にはまるっきり抽選という学校(国立)もあるので、できるなら引っ越すというのもひとつの方法かも知れない。
今から就学までに何年かある人は、自分の子どもの伸び方を想定して、学校を国立や私立に絞ってみるのもありかもしれない。
6)決定したら、なるべく早く、所轄の学校に行って、子どもに合ったメニューを作って頂くこと。
私たちは情緒学級も見学した後、おそらく今年いっぱいは様子を見たいという意志をお伝えすることになると思う。そこに通うべき決定的な理由が見つからないからだ。在籍校には、その理由も含めて、すべての情報を開示する予定で、即座に支援して頂きたい部分を話し合う手はずを整えた。
もしこの先、決定的な理由を自分たちでみつけたり、あるいは別の形で納得して、通級することになったら、やはり即座にそこの先生方と話し合いを持ちたいと思う。今回情報収集中に、特別支援教育に携わる先生とお話しして感じたのは、「包み隠さずに何でも話せば、相手はプロ中のプロである、必ず解決の糸口が見つかるのだ」ということだった。大収穫である。
助けて欲しい、というのは恥ではない。できないことは、人間なのだから、だれにだってあるぐらいの気持でいよう。そのかわり、私ができる部分で、学校に貢献しようと思う。もちつもたれつで、世の中は動いているんだ。
頑張ろう!!
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