2011年02月14日

好みの問題。

「お前はシュート、すんな! 入らないんだから」
なんて言われたら、私なら泣く。
試合中にそんなこと言われたら、私が選手なら躊躇なくその監督の顔面にボールをぶつけて、そのまま出て行く。

ちょっと応援しに行ったミニバスケット部の大会会場で聞いた、あるチームの応援の声。
そこは強いかもしれない。
いい選手が揃っていて、成果も出しているのかも。
情熱も感じられるし、普段はいいご指導もたくさんされているのかも。
その怒号も愛の形。それは素人の私にもよくわかる。
素人の私が、批判するのは間違っているんです。その人、知らないんだし。
だからもこれは批判ではないです。
ただ、私が選手だったら泣くし、そんなふうに罵倒されるのは嫌だ。という、好みの話。

小学生世代のスポーツは、「楽しい」が一番でいいと私は思う。
ニ番じゃだめですか、と迫られたら、「楽しい気持ちが一番じゃなきゃ駄目だと思う」と言う。

小僧が所属しているバスケット部が、「がんばれ!ベアーズ」型のチームだからそう感じてしまうのかもしれないし、うちの監督の温和なキャラクターが好きでお預けしているところがあるから、罵詈雑言タイプに出会って戸惑っているだけかもしれないが。

厳しさには、いろいろな種類がある。

小僧にとってメインのサッカーは、「プレイヤーズファースト」。選手に指示をするのではなく、選手が考えて動けることをJFAが推奨している。
小僧にとってサッカーは「本気」なので、喜んで競争の中に身を置いている。
傍から見ていると、ずいぶんと厳しい社会だなと思う。
小僧が師事している指導者は元々プロサッカー選手なので要求は高いし、問題の指摘も厳しい。だが、その厳しさは決して突き放すことをしない厳しさであり、選手ひとりひとりに対して敬意を払っている結果に思える。
例えば、ボールを受けるときの姿勢、位置、、トラップ、ファーストタッチ、フェイントの意味とかけ方。
常に次の一手、パスは2オプションを用意すること、流れを読むこと。
細かい技術的な話。戦略の話。選手として将来の志、精神的な話。
この一年間、私は小僧から毎回、自分の課題は何かを聞かされてきた。私に反復することで、小僧は問題点を明確にして取り組んでいく。
そんな細かいことまでチェックしているんだと、その「目」のよさに驚きつつ、小僧のやる気がもりもり増していくのを、弱点が克服されていくのを、一年間見てきた。
そして、その厳しい課題化の裏には、そんなにもじっと見守っているという愛情と、君ならできる、信頼しているというメッセージがあるように思える。
選手は、たとえそれが小学生であっても、認められ、目標を見据えたなら、自ずと自分で動き出す。
負けたら罰走などと言わなくても、一人で勝手に、何キロも走るようになる。
走ることは苦しくても、それが楽しいスポーツに繋がっている。

小僧は4月からこの指導者の下を離れて別のチームに行くのだが、
「福助くんの未来に関われたことを光栄に思います」
という言葉をいただいた。そんな言葉に送られてチームを移る幸せをかみしめている。

一年間お世話になった「がんばれ!ベアーズ」も後にするが、ここもいつも、温かい。いつでも待っているといっていただけることの安心感は、子どもの推進力を一層強いものにする。

私はこういう分かりやすい愛情が好きだ。
ま、ただそれだけの話なんですけれどもね。

2011年02月14日 13:57