2010年01月30日

きぼうのいえ

本日公開の山田洋二監督「おとうと」には、「きぼうのいえ」が舞台になっているシーンがあるそうです。
脚本にも絶大なる影響があったとききました。
東京の山谷……日雇い労働者の街には、生活保護を受けていても入れる、看取りのホスピスがあります。人は希望がなかったら、きっと生きてはいけない。「きぼうのいえ」は、人として生き直して、癒されてから、死んでいく、そんな場所です。末期の人に、ささやかな希望を与える空間なのです。

かつて、その現場に少しだけ、関わったことがありました。
だから、山本雅基施設長の著書「山谷でホスピスやってます」(実業之日本社刊)も、もっとたくさんの人の目に触れて、みんなが存在を知ってくれたらいいと思う。

いい思いも、いやな思いも、過ぎてしまえばなつかしい。大人になったな、私。
当時は、よもや福祉系の学問を志すなんて、思ってもみなかったから、私自身、少しはゆとりをもてて成長しているのかも?

相変わらず走り回るばっかりで……時間のゆとりもお金のゆとりも全く身に覚えはございません!ってな感じなんですが。

今日も、人は生き、そして死んでいくのだなあ。と、美しい青空に自転車をシャカシャカこぎながら、思ったものでした。
少なくとも、私は元気だ。ありがたいことだ。
まだまだ私の未来の予定はやりたいことだらけで、好奇心もみっちみちに詰まっています。記憶力は怪しいけれど、昨日よりは今日、ほんの少し賢くなっている気もします。
切ない思いや、苦しいことも、まあ時には人生のスパイス程度に、あるもんで。
それでも希望が生きている限り、明日以降の予定が楽しそうに埋まっている限りは、笑って生きていかなくちゃと思います。


2010年01月30日 15:05