2009年03月18日

かっこいい爺さま

あるボランティア団体の、年度末打ち上げ会があった。
そこに来ていたのは、30代のまだ独身のような美人ちゃんから、70代のおじいちゃままで。お料理もお酒もおいしく、話も弾む。年下なのに私などよりずっとしっかりしている頼りがいあるおかあさんとは教育の話を、南の島が大好きだという団塊の弟世代とはアジア放浪の話を。ボランティアの内容とは全く違う話題さえ、一緒に活動して気心が知れているからこそ新鮮で楽しい。
かっこいいなと思ったのは、リーダー格の方たちのお支払い方法だった。
幹事の私にあらかじめご祝儀を託すのだ。
これなら若手も負担にならない程度の会費になるだろうからあらかじめ足しにすること。それで頭割りした会費を全員に請求するときには、自分たちも支払うから言うようにというのである。
スマートだ、じいさん!いや、リーダー!! さすが、長たちお三方!
宴会が終わってお礼を言いにいった私には、「幹事さんが余分にかぶってはいないかぃ?」と聴いてくれて、あとはもう、私へのねぎらいだけを残してにこやかに去っていかれたのだった。
私の不手際を責めるでもなく。くー、かっこいい!なんて、できるの!! ああ、かくありたし。

春は別れの季節である。だからともに食べ、人は酒を酌み交わして、別れを惜しむのだなあ。
別れ際の印象が大事だということを、このカッコイイじいさまたちはきっとよーくご存知だ。すでにたくさんのお別れ会があったけれど、私はどうだっただろうか。

またしてもいいめぐりあわせだった、小僧のクラスメイトのママ友だちとの宴会。
去年得た、あまりにも大好きな役員仲間や、今年、運営委員会で一緒に活動して大変ドラマティックだった仲間たちとのランチ会。
PTAで所属している委員会活動は、今年も楽しかった。一丸だったからなあ。世代を超えて、委員一人一人が、終わってみるとやっぱり大切な友達になっていた。春休みの宴会が楽しみだ。
……小僧のサッカースクールではサッカーを見ながら母親同志で過ごす時間がたっぷりあり、毎回、ちょっとしたパーティー。少年団でも優勝するたびに宴会したり、子どもたちも泊まりにきたりいったりしていて、だんだん家族みたいになってきた。そこには幼稚園時代からの友達もいる。
幼稚園の時の父母会役員ママ友も、とんでもなく絆が固かったクラスメイトママも、卒業シーズンになると必ず思い出してしまう。また飲みたいなあ。
吉祥寺時代の、娘から始まったママ友達がよかったんだよな。娘の英語関係でも、未だに親しくしている方がいて、昔も今もご近所にたくさんかわいがられて、自閉症関係で親しくなった友はみな凄みさえあって未知なる世界を広げてくれたし、全く、子どもを通じて広がった世界は、いまや自分の友達の何割を占めているだろう。

それでも、子どもとは全く関係のない友達がいて、「学校以外の話題」を肴にして飲まないと心がきしんでくる。子どもに偏らないほうが調子がいいんだから、私の母親としての器量は知れている。
子どものママ友だちのことを日記に書かないと決めてからずいぶんたつが、それ以外で話題が尽きないのはいいことなのかどうなのか。

自分が小学生のときからの幼馴染、高校時代の親友。すぐにやめてしまった大学時代の友達とすら、いまだ交流が途絶えない。私のこども時代からの友達は、忍耐強くて寛容だ。そして、学生時代同様、筆まめだ。
十余年、全身全霊で勤め上げた仕事を通じて知り合った仲間たちが都内各所にたくさんいて、いつのまにか相方の仕事仲間とも友達になってて……。
趣味のテニス仲間、お琴仲間、食いしんぼ仲間、ボランティア仲間。
PCではmixi仲間‥‥そこではライブハウスで歌ったバンド仲間や、嗜好や趣味が似ていたり、応援する芸人さんを同じくする仲間、海外の友だちとも距離が近い。30代の男子たちと飲み友達なのは、それだけで財産だとすら思う(これはセクハラ発言?)。いや、世代は関係なく、同姓も異性も関係なく、心が震える友達がいて、涙するほど敬愛する先輩がいて、お小遣いは趣味と飲食に消えていく私の投資は十二分に回収できた、友人資産家であると思う。財産といえば、Webを通した読者の方たちも‥‥直接は会えないけどね。
そういえば、私にとてつもない元気をくれる人として、私のかわいいお習字の生徒さんたちも特別な位置づけだった。それから、いつも戻れる場所がある。教会の兄弟姉妹。大事な親族。そして、家族。

あれれ、なんでこんな、知人全員ひっぱりだしての、虫干し大会みたいなことになってんだ?
かっこいいじいさんの話をして、どこが刺激されちゃったんだろう。

それにしても、こうずらりと並べてみると、忙しいのも当然だと思った。
長く生きればそれだけ知り合いが増えていくのだから、きっと誰もが同じように忙しいのだと思うが、別れ下手な私は、整理がつかないまま好きな人ばかりが貯まっていく。
こんなにたくさんの人が私の心でひしめき合っているというのは大変ありがたいことではあるが、どう考えても、物理的に時間が足りない。フリーズしてしまうわ。
飲み会ひとつでも毎回ちゃんと発見があって、だから新たに人と関係していくのは面白くて仕方ない。
私の大好きな人を思い描くのも幸せなことだ。
実際に友達に会うとなれば、これまたうれしくて仕方ない。日々めまぐるしいのは私のライフスタイルなんだと思うが、忙しいと失礼が多くなるから、本当はもう少し丁寧なお付き合いをしなければと思う。
心あるお付き合いの中から、かっこいい生き方をちゃんと学んで、かっこいいばあさんになりたい。

取得したい資格があって、春から、お小遣いは飲食費から学費に変わる予定である。
お付き合いはきっと激減するけれど、大好きな人は変わらない気がする。さあ、心して臨もう。10年、20年後のかっこいいばあさん目指してな!
今度は20代の友達かあ。楽しみだなあああ。←違うぞ。


2009年03月18日 02:42