2008年12月03日

いたずら電話

我が家へのいたずら電話が急増している。
電話番号はすべて私の携帯が窓口になっており全部伏せてあるので、ありていにいえば、お役所と出版社と、うちのモジャンボ嬢が漫画家の娘とバレるまでの間のクラスメイトしか、我が家の電話番号は知らない。
あるいは、電話セールスのように、ランダムにかけたのかもしれないが。
いたずら電話はこちらにお金がかかるわけじゃなし、腹が立つことを言われるわけでもなし、放っておくので痛くもかゆくもないのだが、できればもう一工夫ほしいところだ。
一度ホラーっぽい演出をしてくれた人がいたのだが、つめが甘く、自分たちの勢いで怖がらせる単語を話したつもりなのか、すぐに切ってしまった。
惜しい。実に、惜しい。その演出では、怖がれない。
自己満足で終わってしまわず、この際だから、受け手が座りしょんべんをもらすぐらいの恐怖を考えてみるのはどうか。それは、六年生の頭にも、とてもよいトレーニングになる。いや、もしも、六年生ぐらいの子どもの仕業だとしたら、という、想像の域を出ない話ではあるが。
なおいっそうの努力を期待したい。
ところで、私の、何の役にも立たない特技に、「歌声当て」というのがある。
声優が重複しているだけで吹き替えが見られないぐらい、声に対して神経質なもので、新曲が入るとたいてい相方はこの曲は誰の曲でしょうクイズをして、ワンフレーズで当てるたびに「すげぇ!」と驚く、ただそれだけの、ホントにどうでもいい車の中でのお遊びなのだが……これがひょっとして、いたずら電話の主を特定するのに、役立ってしまいそうで怖い。
次にかけてくるときには、ぜひともボイスチェンジゃーを用意してもらわないと、確定できてしまいそうで、それこそが私にとって、もっとも大きな恐怖だ。
その子が……いや、大人なのかもしれないし、知らない人であることを願うのだが、そのいたずら電話の主が、息を潜めて、何かを探ろうとしているのだとすれば、その気持ちが切ない。むしろ、そんな不毛な10円の使い方をせずに、ユニセフにでも寄付してはどうかと思う。時間が許すなら、無言じゃなく、いっぱいおしゃべりをしたいなあとも思う。
匿名で何かしようとするのは卑怯なんだということを、わかってくれたらいいなあ。
匿名じゃなく、「自分」の責任でもってする発言なら、それがどんな突拍子もない意見であれ、尊重されるということを、知ってくれたらいい。自信を持って、どんな意見でも言ったらいいんだよ。
姑息な人間性は、いくら匿名にしたところで、いつか暴かれていく。そうなったときに、相手に与えるダメージ以上に、自分の誇りを傷つけてしまうことを、おばちゃんは危惧するよ。
自分は唯一無二の存在で、親にとって、あるいは誰かにとって、誰よりも大事な人なのだから、その自分の魂を汚すような行動をとってはいけないんだよと、言いたいなあ。
ただのいたずら、遊びならば、それはそれでいいんだけどね。


2008年12月03日 12:27