2008年08月23日

飛んで火にいる…

その1.
そのとき、娘はとてつもなくおなかが減っていたらしい。
夏の終わり、灼熱のアスファルトを歩く私たち。
空腹を訴える彼女の言葉は、しかし満腹状態の私には今ひとつ届かず、どのぐらい切羽詰っているか計りかねていた。普段から大げさな表現をする、ペーター少年の羊である。
娘「おかーさん、おなかが減って、もう歩けないぃぃ」
母「歩いてるじゃん」
娘「今すぐ食べたいぃぃぃ」
母「わかったってば。わかった。もういいって。で、何食べたいのよ」
娘「……セミでもいい」
道端にはセミがいっぱい落ちている。そのときに私は娘がどんなにおなかがすいているかを痛いほど感じた。

その2.
息子と話していて、「そりゃあお前さん、野暮ってもんだ」と言ってしまった。毎日必ず落語を一席聞くようになっている昨今、私の江戸弁に磨きがかかっていくのは仕方ない。英語学習者の、さしすせその音が時折TH混じりになってしまうようなものである。たとえ、わかりにくい?
で、息子が黙り込んで、悩んでいた。
母「どうしたの?」
息子「何でオレが、トンボの幼虫なの?」
そりゃあ、お前さん、ヤゴってもんだ。

……くだらないこと書いてないで、練習に行って来よう。さ、サッカー、サッカー。


2008年08月23日 12:52