2008年03月21日

別れの季節

「ふくちゃんのおもしろいところがいいところだとおもいます」
「ふくすけくんはすごく、おもしろい。さらば」
「ふくちゃんはいつもあかるくおもしろいです」
「ふくすけはおもしろいな!」
……おもしろいばっかりである。一人だけ、「サッカーさいきょう」と書いてくれていたけど、あと全部「おもしろい」だった。あ、自分の名前だけ大書している子もいたけどな。
クラスのお友達がくれたメッセージカードだ。
担任の先生がお別れに際し、それぞれのいいところをそれぞれに書かせたのだろう。
福助には、48号(仮名)という親友がいる。
その彼は頭の回転が速く、とにかく人をいじくるのが天才的にうまい。自分で空気を作り出すのもうまいし、多分にお調子者でもあり、だがやけに冷静でシリアスな局面もあり、私は48号を天性のコメディアンだと思っている。とにかくよく笑う楽しいクラスだなあと思う影に48号がいるのである。
その48号から届いた年賀状には「おい福助、今年もおれたちでクラス中を笑わせようぜ」という野望が書かれていた。
最近では、「野球選手になれなかったら、福助と組んでお笑いデビューを果たし、天下をとる」と公言してくれているらしい。光栄である。48号にめぐりあえたことが、福助の強運である。
福助をうまくいじってくれて、実においしい状況に持っていってくれるのだ。男女を問わず、福助の行動と48号の掛け合いで、お友達がドッと笑うのを、何度か参観日に見ている。いや実際二人の掛け合いを聞いていると、私でもツボにはまることがある。
その結果が、周りの人から面白い人と認識されるに至った。
48号は福助ナシでも面白い子だが、福助は48号ナシでは多分「面白い」という評価ではなかった気がする。
私たちの時代とは違って、いまや面白い子というのは男の子のモテアイテムの一つだ。わが世の春だな、福助。48号とクラスが変わらないといい。また来年も、面白いままの福助でいられたらいいなあ。

転勤で、一緒にランチしたりと親しくしていただいた美人ママ友達が遠くに行ってしまうことになった。送別会に出られなかったので、心残りがいっぱいである。しくしく。
もうお一方、私の片思いのままだったけれど、凛とした態度がかっこよく、ぜひ親しくしていただきたいと狙っていたママ友達もお引越しされることになったと聞いた。メアドも知らないまま、告白もしないままに、お別れである。しくしく。
六年生のママ友達は、みんな中学にいってしまう。
春は別れの季節。子どもにも大人にも。こういう寂しさを繰り返して、人は強くなっていく。

先日、役員会で飲み会をした。
みんなどこか壊れてしまったみたいに笑い続け、最後まで私たちらしく笑いっぱなしの時間を過ごす。カラオケもノリノリで、多分こんなに笑えるメンバーで飲める飲み会やカラオケを、私は知らない。
学校に行くときは「母親」の顔だった。
でも、役員会に出ている私は、本当の私でいられた。「おもしろい鈴木さん」で、赦されてきた。変わり者の部分も、不器用な部分も、上手にいじってくれる人がいて、面白がってももらえた。あまりにまじめな雰囲気で、最初は苦手かも〜と危惧していた人も、母親の顔じゃないところで付き合うと理性的なのにかわいらしくて、これはもう絶対に一生付き合っていきたいと思った。ごくご近所に、大好きな、頼れる仲間が住んでいる。これは心強いとも思った。
卒業式に出席するまで、いや、五月のPTA総会まで、意識的に別れを先延ばしにしているけれど、きっとかっちりした別れを意識したら、涙が止まらなくなってしまう気がする。
福助に負けず劣らず、私も強運だ。めちゃくちゃ楽しい日々を、ありがとう。役員仲間!

で、春休みは抜け殻決定だな、こりゃ。


2008年03月21日 14:49