2008年03月20日

娘への説教(奉仕と自主性)

恵みの雨で一日昏睡。
よし、明日からはまたバリバリ学校、ＰＴＡ最後のご奉仕だ。

幸せは自分で作る。
と、娘に教えてきたが、娘さんはまず最初に現状を呪い、その呪いから開放されずに、もっとも労力の少ない解決策と安い幸せで満足しようとしてしまう傾向がある。
まだ１１歳といえばそれまでだが、ここから大人になるということがどういうことか、親としてもちゃんと一緒に考えなければならない。
できないと焦れるのは自由だが、できないといった途端、それはできないものとして確定される。
できないと思う前に、どうしたらできるかを考えてみよう、頭は生きているうちに使え。と言ってみる。

まずは、文句を言うのをやめて、現状を見つめてみる。
同時に、何が欲しいのか、目標設定をしてみる。
設定する目標値が高ければ、解決策はその分大変になるけれど、確実に経験が増えるし、困難への体力は増すばかりだ。
それは、そのままそっくり、自分の財産になる。
生きる力をつけるというのは、そういうことだとおかんは思う。
うまくいけば、文句の果てに出てきた簡単に解決できる安手の幸せより、苦労はするけれどその分はるかに大きな成功が手に入る。
その目標をうまく示してあげられることをリーダーシップというのだと思う。今ある状況と人材で出来ることを目標設定する演繹的な手法と、目標のために状況と人材を動かしていく帰納法的な手法、どちらにしても文句をいっているうちはその一歩が踏み出せない。

じゃあ、それはどうやって？
恵まれない状況、責任回避する使えない人材、予算の少なさなど悪条件は、呪っても変わらないわけで、それをどうやったら変えられる？　
必要なのは、�，泙左従�認識して足りないものを洗い出すこと。�△修靴董△修譴鯊燃�するための工夫をしていくこと。
誰かのやり方に不満があるなら、その代案を出して説得していかなければ結局イヤイヤそのやり方に従うことになり、自分の時間と労力は誰かに持っていかれておしまいだ。
自分が与えられた仕事をこなす場合だって同じだ。そこに自主的な目標設定と自発性と工夫がなければ、機械的な作業など面白くもなんともない。
自主性、自発性、工夫というのは、自分の人生を自分のものにするための鍵だと思う。

五年生は、いよいよ受験も忙しくなり、係の仕事を敬遠する人が多くなったとアナタは嘆くけれど、これには大人がもっと責任を感じるべきだとおかんは反省する。
うん、これはね、大人の影響だからね。
なんとか、子どもたちに、地域の大人として奉仕の楽しさを見せていかないと、未来は暗いよな。
たとえば奉仕は、自分の時間をささげ、身を削ることだから、と、敬遠してしまえば簡単だ。ちょっとぱかりの時間と労力をマイナスしない分、得をした気になり、そうやって係や役員、委員とか町会を逃げちゃう人も多い。でも、それは実は、とても大きな幸せを取りこぼしていることのような気はする。
お嬢は役員を心の底から楽しんでいたおかんの姿を見て、そこんとこはよくわかっていると思う。
時間がなければ、自分のできる形で特技を貸し出すのでもいい。
要は、誰かのために自分に出来る「何か」を持ち寄る気持ちが奉仕だ。
その時間の長さや、労働力の対価は問題ではない。だから、均等に平等に労力を提供しないからずるいなんて考えるのだとしたら、それはちょっと違うとおかんは思う。自主性なき強制労働は、人権侵害だからね。工夫して時間や労力や特技を持ち寄れるのが、大人の英知なんだ。
もう一度、繰り返す。「やらない人は、得しているつもりで実は大きな損をしている」ってことだよ。
奉仕は、実は誰かのためにではなく、自分のためにやっていることなんだと、おかんは今年一年の役員活動を通じてしみじみ思っちゃった。
自己満足、という言い方も出来るかもしれないけれど、報酬はこの満足感にのみあるわけで、ボランティアは究極の自己満足で、いいんじゃないかなあとも思う。
大人になったら本当の友達は出来ないなんて、うそだよ。志が一緒なら、いくつになってもすばらしい出会いがある。役員室で笑い転げた日々は、学生時代の部活や、仕事をばりばりしていた頃の思い出に次ぐ、私の宝物だ。
だから、アナタも誰かのためと、自分のために、奉仕活動をしたらいい。
他人の動きに気をとられることなく。
誰になんと言われようとね、自分がこうだと思うことをすればいいんだよ。やりたくないことまではしなくていいと思うが、いいたいやつには言わせておけばいいよ。係を請け負うことは尊いことだ。
褒められるためにするのが奉仕ではないからね。なのにありがたいことに、これまた仕事を評価してくれる人っていうのが、ちゃーんといるから不思議だよね。
誰かのために動こうと思ったら、結局喜びは自分に返ってきて、それがまた誰かの役にも立って、奉仕って言うのはすばらしい相乗効果を持っている。
やらなければならないからといって動いたら、なかなかそうはいかないかも。
やりたくないのにやらなくちゃって動くのと、やりたいから動くのでは、同じ行為の持つ意味が違ってくるからね。

大好きな役員を今年度いっぱいで終えてしまうのは惜しく、寂しい。
委員会には残るつもりだし、町会活動は続くし、それとは別に地域ボランティアにも精を出してしまうんだけどさ、世話好きのオバちゃんとしては。
今できること、やれることをコツコツ。となると、家庭のために、ちょっと働かないとなあ。お金になる仕事しないと。メインバンクにせめて６桁入れておかないとなあ……大人なんだし。

おっと、この部分は娘ちゃんには告げず、一応奉仕ということを一緒に考えてみたので、覚書にする。
幸せは自分でつくる。
その言葉がアナタを支えるのはいいのだが、言葉だけが上滑りしている気がしてさ。
反抗期、すなわち、いろいろなことが不満に思える時期だろう。その不満は、やはり自分で解決して、幸福に変えて行かないとならない。自分の境遇を変えられる力を持つこと、それが大人ってことだからさ。

昏睡前にそんな話をして、後は一日眠り続けた。
ダライ・ラマにあった夢を見た。

2008年03月20日 22:06