ひょんなことがあって、友だちの子どもを預かれることになった。
最近出番の少なかったピンクの服を着る。
赤子には顔のシミで判断するすべはないのだから、明るい色を着ていれば母親に近い年だと勘違いするのは必至。
そして、丸くてふわふわの体型には絶対的に弱いのが赤子である。
ふっふっふっ。
作戦成功、泣かずに連れ出せたわ。
帰宅するや、突然、好々爺とする相方。
声なんか裏返っちゃって、「おおおお、きたかきたか。どれで遊ぶんだ、これか、あれか」とまあ、いいじいさんぶりである。
じじいにちょっとの間見てもらって、あっという間に掃除をする。赤子がくるのに、これではいかん!というホコリだったことを忘れていた。
我が家は久しぶりに、人をお通しできるお部屋になった。
それにしても、作戦などなくても多分その子は泣かないのだということが、徐々にわかっていった。
むちゃくちゃいい子なのだ。なんていうか、ものすごく丁寧に育てられた子という感じがありありとあって、子育てってこんなに楽だったっけと思うぐらい、素敵な豊かな時間だった。
落し物をしたら、ひろってくれて「あー」。
階段のゴミも拾ってくれて、「あー」。
靴が脱げれば「あー」。
きー、とかパニックにならないの。すごい大物。
転んでも泣かない。
あざを作るほど、机の角におでこをぶつけたときにはさすがに号泣したが、冷やして抱いていたら、すぐに泣き止んでしまう。
そのあとは指をもって行きたいところを示唆するので、その子のリクエストにお応えするふりをしつつ、学校に連れ込んだのだが、ここでも上機嫌。
飼育小屋に大興奮し、飼育係のご配慮でアヒルにガンガン餌をやり、もう大喜びだ。
途中、何度も転ぶのだが、ニコニコしてすっくと立ち上がる。
酔っ払いみたいな足取りなんだが、「歩ける僕」が嬉しくて仕方ないという喜びが、全身から放たれちゃってるの。
そして多分、今日は東京タワーの半分ぐらいまで到達するほど階段昇降をし、日本橋から新宿にたどり着きそうなほど歩きに歩いて走りに走った、学校の廊下と校庭と学校の近隣を。
すごいなあ、人類はアフリカで発祥し、大陸を歩きに歩いて、ここにたどり着いたんだなあ。という、ちゃんとそういう凄みを感じさせる持久力を見せた、一歳半だった。
美形にして愛想がいいので、小学生に絶賛される。
だっこさせて〜と争奪戦になる。
廊下をよたよた歩いていき、名前を呼ぶとくるりとふりむいて、豹変するところが、なんかこう、むちゃむちゃいい。でっかいおしりで、猛スピードだ。幼稚園の徒競走でブッちぎるタイプだ。
……おばあちゃんの孫自慢か?
上手にできると、にこにこしながら自分で拍手して、私を見上げる。一緒にニコニコしながら拍手をしていると、ああもう1人欲しいなあ。としみじみ思う。
小僧がこの年には……と思い出すと、苦笑いだ。確か、お嬢の時がこんなだった。お嬢は歩くのが遅かった以外、たいていのことはさくさくできて、とても育てやすいいい子だった。
育児は修行ではなく、こんなにお楽しみがいっぱいだったんだなあと、久しぶりに思い出させてもらった。
15キロをおんぶしたりもしたので、おばあちゃんは肉体的にちょっと疲れたが、こんな心地いいエクササイズなら毎日でもいいなあと思ったのだった。
で、明日のスケジュールを調整して、また明日も貸し出してもらう予定。
ほくほくだわ〜。
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