2007年09月11日

初恋とノン様

中坊の心。
啄木か。

いやあ、正確に言えば、ポカスカに吸われし、42の心。
ああ、42才だって。
ちくしょう、21歳の私が二人分だが、さすがにそう思ってもらうのは無理がある。
21歳なら、本気でカニバサミしにいくだろうに。寝技に持ち込むことも出来ない、ヤワラちゃんならぬタワラちゃんの私。ママでも金。
それでも、ノン様の前では極端に「乙女」になってしまうのだ。それはもう、中学生のように。

新しく買った浴衣と、アイロンをあてた浴衣、それを二着はおって、三着も着なおす。帯だけで何度。
検討に検討を重ねたのに、着てみると何かが違う。
「床に広がる衣の海」と詠ったのは阿木遥子だったか、本当にポカスカジャンに会う日のときめきは憧れよりも苦しみめくのである。
久しぶりに塗るマニキュアで、爪が呼吸できずに苦しがっている、という意味でもある。

待ち合わせに遅れて、汗だくになる。
こんなことなら、最初から決めてたやつを着ればよかった。
中学生ならリップクリーム一つですんだことが、毛穴を埋めてシミを隠して、中年女はなかなか忙しい。必死で作り上げた顔も、新宿を走り回り、汗でドロドロ。妖怪の面持ち。

初恋は中学一年生のときだった。
バスケット部で、生徒会ではリーダーで、歌が上手くて、文化祭ではギターを弾いていた、先輩。
私が高校に入ってから偶然もう一度出会って、叶ってしまった初恋。
手をつなぐこともできない。
ただ後ろから、彼にくっついていくだけだった。
抱きしめられただけで、泣き出してしまった。
そんな不器用な子ども同志に、続くわけもなく……。
その彼は、
ノン様に、
ちょっと似ている。

だからポカスカジャンのライブはひたすら腹がよじれる場で、健康のために免疫力が上がるとか、みていると笑いすぎて痩せるとか、どっちかというと狙いはそっちなんだけれど、そして実際、ノン様にも「目立つ笑い声だよね、腹式?」と指摘されるほど笑い倒してカロリーも消費しているのだけれど(アルコールで補填)、その合間合間にはノン様を私の中の少女の瞳が熱く見つめるのである。ジキルとハイドのようでもある。

ヨン様に恋する中年女性より恵まれていると思うのは、ノン様には実際にお声をかけていただくことができることだ。その辺が、サッカーの日本代表になるより、カバティの日本代表になるほうが多少楽、というのに通じている。福助にはいつかサッカーより代表になりやすいスポーツがあることを教えなければならない。

それでも、ライブ後にきさくにお話してくださるノン様に、握手してください。とか、ハグしてもいいですか。とか、絶対言えない。
たとえこの体は子どもを産んで崩れきっていようとも、私の心は正真正銘、中学生に戻っている。
御神体お三方と一緒に写真を撮ってもらっているとき、心臓の鼓動が聞こえるのではないかと気にしている私を察知して、タマさんがぐいぐいノン様の方に押してくれるのだが、それもまた中学生時代のようで、甘美に胸の奥が痛む。これで十分だ、幸せすぎるほど幸せだ。と、私の鼓動はさらに高鳴る。

……安い。
こんなトキメキつきで、3500円(当日精算券)。
ホストクラブを模しているコンセプトだから、彼らは入場者にとことんやさしく、当然一番前に座っている私にもにっこりと何度も笑顔を向けてくれて、そして厳選されたネタは最高、笑いっぱなし。さらに本物のクラシックを聴かせるゲストありとくれば、元、とりまくり。これはなんかとってもお得だった気がする。

って、喜ぶところが違うから!
そんな計算するところがもう、不純なんじゃないだろうか、おばちゃん!
13歳の初恋からもう30年もたつのに、初恋だけは、消せないものなのかもしれない。


2007年09月11日 21:02
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