「X(てん)までとどけ」の裏の話1


てんまでとどけimg

商品名

Xまでとどけ
ザ・コンプリート・ファイナル(仮)
[テンマデトドケ]

著者鈴木みそ
予価本体1,400円+税
版型B5変型判
総貢数192ページ
デジタル版予価本体1,000円+税

「てんまでとどけ」の本が出る。という第一報からしばらく経ちました。
この前竹橋のマイコミに行ってきまして、小林編集長とランチを食べながら打合せしてきました。
ランチで打合せするってのが、さすがマックファン編集部という感じです。あまり昼飯食いながら打合せってないですね、日本の出版業界では。
珈琲ばっかり。タバコすぱすぱ。
漫画界は未だにそんな感じです(笑)

本が出る。と言うのは担当から聞いていたんですが、表紙を描いてとも言われないし、全部編集部側で用意してくれるのかな。と思っていたんですね。
よくみると「描きおろし26ページ」なんて書いてある。
はて、なんの話ですか。描きおろしって(笑) そんな時間も余裕も今ないですよ? 
紙の本の予約をしてくれた人に、電子版をあげる。というのはとてもいいアイディアですが、この電子版ってフォーマットは何でしょう? EPUB? PDF? そんなことさえ知らない。
そのあたりをきちんとしないといけませんなと、いう打合せです。本が出る直前にする話とは違うね(笑)
本来もっと前に詰めておかなきゃいけない話ですよ。
担当者どうなってるの? 
と作家側と編集長から詰め寄られる元担当小平さん。
先月でやめちゃったからねえ。仕事ができる最高の編集だったんだけど、会社やめるとなると力も抜けようというものですよ。
かなり危なげな空気で進む打合せ。
これ本当に本が出るんかいな。
「出ます。大丈夫です。」と編集長。
1冊1400円もするけど、これオンデマンド?
「いえ、違いますよ。今束見本持ってきますから。ちゃんとした印刷です」
業界の人ならすぐわかるが、オンデマンドはまだ印刷クオリティが多少落ちるわけです。そのかわり1部から刷れるので在庫を抱えなくてすむメリットがある。部数の少ない印刷物は最近ではオンデマンドになっていたりするのです。
しっかりした束見本がやってきた。こんないい紙なんだー。思わず顔が緩むが、そこで驚くべき話を聞く。
「それでこの本ですが、一般書店では売りません」
えええ?
そ、そうなんですか。
「うち(マイコミ)は漫画の流通を持ってないのでうまくまけないんですよ。紀伊国屋さんやジュンク堂さんという大手書店では扱うかもしれないですが、一般売りはありません」
ということは、予約でネット販売ですか?
「そうです。完全予約販売。予約した部数だけを刷ります」
ああ、やっぱりそうか。それで予約した人に、電子書籍の特典をつけるわけですね。あ、そうだ、その電子書籍のフォーマットは何ですか?
「EPUBです。電子透かしを入れますが、DRMは入れない。どんなマシンでも読めるように」
なるほどなるほど。DRMフリーはいいですね。
「それで部数なんですが...。」
ゴクリ...。

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