Amazonで漫画を出版03

モアレが大変。というところまで書きましたっけ。
スクリーントーンを使っている以上(PC上の擬似トーンを含む)粒状の模様を縮小すると、格子縞の干渉で模様ができる、いわゆるモアレが生じることがあります。
ちなみにモアレというのはフランス語で、「模様が荒れる」模荒れ、ではないですがそんなことはどうでもいいです。

結論から言えば、これはどうしようもありません。「コミックスタジオ」は、粒状のトーンをグレーにして出力することができますから、生データからトーン情報を変えて書き出せばオーケーです。
自分の場合は、書きだしたデータをさらにPhotoshop上で切ったり貼ったり描き足したりして仕上げていたので、生データからまた書き出すというのはとてもできないので、Photoshop上の粒粒はあきらめました。ある程度のモアレはしかたありません。
縦7000ピクセル以上の大きなデータを、Kindleに合わせて縮小しますが、それを何度も縮小するとモアレが目立ちますから、一度だけ縮小する。というやり方にしました。

ページの外側、印刷限界以上に書き込んでいる「裁ち落とし」の部分は、そのままだとちょっと大きく描きすぎていて裁ち落とし以外のコマの白い部分が目立ちすぎるので、自分はまず裁ち落としを半分くらい切り落としてから、画面全体を縮小しました。
※画面がないとわかりにくいかなあ

そして全てのページを縦1200px×横844pxに縮小、jpegで中くらいの画質に圧縮。最終的に1枚150KBくらいのファイルにします。
単行本1冊200ページ前後なので、全ファイルで30MBくらいになります。
これが中身です。
フォルダには「images」と名前をつけます。
ちなみにすべてのファイルは「page####」という名前でナンバリングするのがKindleの仕様です。(#は連番の数字が入る)
自分は表紙と目次を入れたかったので、3ページから漫画を始めました。
漫画の最初のページが「page0003.jpg」という名前になるわけです。

そこに
「本体表紙」...「page0001.jpg」
「目次」.........「page0002.jpg」

漫画が「page0003.jpg」から「page0194.jpg」までなので、その後に
「あとがき」...「page0195.jpg」
「奥付」.........「page0196.jpg」
(奥付というのは本の最後にある、初出(どの本の何月号から始まり何月号までか」どの出版社のなんという著者名か、というのが載っているページです。
「裏表紙」......「page0197.jpg」

を入れて、全197ページにしました。
基本的に紙の本と同じ形です。
最後に忘れてはいけないのが「表紙」です。これだけはカラーで解像度を高くします。
2000ピクセルくらいあるのがいいそうなので、自分はどこかのサイトを参考に縦2500px×横1563pxにしました。少し圧縮かけて800KBくらい。
「表紙」.........「cover.jpg」
これが「images」フォルダの中身です。

この「目次」はKindleでいう「目次」とは違っていて、Kindleの機能的な目次にはなっていません。なぜ機能しないのかまだよくわからないのですが、Kindleには文字で作られた「リフロー型」ファイル用には必ず「目次」をつけなければなりません。
ユーザーが読むときに自由に文字の大きさを変えられるため、ページという概念がなくなるからですね。「章」の頭に飛べるように、本の最初のページに「目次」を作り、それを「index.html」で表記します。
漫画や児童書は、絵を拡大してもページ構成がずれない「固定レイアウト型」なので、目次をつけなくてもいいらしく、すべてのページに固定のhtmlファイルをリンクさせます。それが機能しない理由と思われます(これが悔しいw)PCだとページに飛べるのに、KindlePaperWhiteでは動きません。

Kindleにアップするファイルは
●目次定義ファイル(.ncx)...ホーム画面の「移動」に表示されるリンクデータ
●目次ファイル(index.html)...漫画にはいまのところ不必要
●書籍情報ファイル(.opf)...ほとんどすべての情報が書き込まれているxmlファイル
●「html」フォルダ.........すべてのページのhtmlが設定されている
●「images」フォルダ......上で説明した漫画のjpgファイルが入っている

これを同じフォルダの中に入れておき、AmazonからDLした「Kindle Previewer」に「書籍情報ファイル」を放り込むと、自動的に「mobiファイル」が生成されます。

でもなかなかうまく動いてくれないんですよ。エラーばっかり(笑)
長くなってきたので、今日はここまで。