おやすみだー、さあ溢れる時間を何に使おう。
と思っていたら、相方が小僧の試合をDVDに焼いてくれていたのを思い出した。
これを使って、PSPにハイライトシーンの動画を落とし込めたら、小僧自慢に使えるのではないか。と思い立ち、ほぼ半日を動画の編集という慣れない作業に費やす。
……満足。
もちろん、もっといいシーンは肉眼で見ているのだが、都合5分程度のベストオブ前回の試合集ができた。
ああ、いいなあ、朋友リン君(仮名)との連携の、なんて素晴らしいこと。
リン君があまりに素晴らしいので引っ張られているだけではないか、という気もするのだが、それはそれとして。リン君が将来Jリーガーになったら、このハイライト集が小僧の自慢の種にもなるだろう。
ついでに全試合をビデオに落としこんで、実家に送る。
こんなものを喜んでくれるのは、親族だけだ。ありがたいことだ。
「おかあさん、テレビまだあかないの? バルサとプレミアリーグのハイライト、見たいんだけど」
と焦れる小僧。
でもかあちゃんにはどんな世界的な選手より、君のほうがかっこいいんだよ。
PTA主催だからがんばろうぜ、と、ずーっとコツコツ準備してきたこどもまつり(仮称)が今日だった。
校庭で煮炊きもする。
雨のため、中止。
小雨降る中、ブロック200個を片付けてきた。
せっかくだからと、役員でそろえたTシャツ着て。
お手伝いの方たちと共にみんなでブロックリレーするうちに、だんだんハイになってきて、そのうちお神輿担ぐみたいな掛け声まで始まっちゃって、なんだか役員全員トランス状態。
その後の反省会も、もう何がなんだか、すっかりゲラがきていて、ひーひー。涙流しながら笑って笑って、まつりへの勢いが全部後片付けと反省会になだれ込んでしまった。
かくして、こどもまつりならぬブロック祭り、笑顔のうちに終了。
お手伝いのパパさんから発せられた、
「来年はみんなで輪になって、ブロックぐるぐる手渡ししつづけますか」
というのが特にツボだったわ。どんな学校だ、けらけらけら。
しかし、本当にそんなことしてても楽しめちゃいそうなところが怖い。
今期役員はなぜだか面白い人ばかりが集まったので、笑いが絶えないのだが。
……あーあ、それだけにやりたかったなあ、こどもまつり。ちっ。残念。
娘が公文(くもん)に行きたいという。
私の印象では、徹底的に計算だけを特訓する場所なので、そういうことが苦手な娘には合わないと判断していた。
得意なことだけ、伸ばせばよろしい。というのが鈴木さんち主義である。
くもんのレベルは自分のやる気次第。計算力が上がれば、小1だって高校生の問題を解かせてもらえるという点では大変に楽しそうだが、逆にいえば高校生でも小1の問題をやる子がいる、ということでもある。
娘の成績はおおむね良好、学校では多分「できる子」で通っている。
それが、今更くもん?
必要とは思えないと却下し続けていたが、なにやら娘は深刻だった。
計算がどうも苦手だが、自分でドリルをやり通すことができない。それならば大量の宿題をこなす形式のくもんはうってつけだ、私の弱点はケアレスミスにある、それをなんとかしたい。と懇願するので、そこまでいうなら少しやってみようかということになった。
最初に、学力テストをする。ここでスタートのクラスが決まる。
前回のくもん公開模試は成績優秀だったものの、計算に問題を抱えていると自覚するぐらいだから、まあ3、4年生あたりから始まるのかと思っていた。
娘、帰宅。涙をこらえている。
結果はかなり悲惨で、なんと小1の弟よりも下のレベルからだった。
……それは、泣くわ。母もな。
ものすごく簡単な、あまりに簡単な計算の宿題を大量に抱えてきたので、このまま学習に対する意欲がなくならないか懸念する。今ならやっぱりやめますといえるよ、この悲惨なレベルが公表されることも苦痛だろうし、別の学習塾に入ってしまうのも手だと、現実を闇に葬ろうとする母親に対し、きっぱり、いや、やるから。やりたいから。という娘。一気に駆け上がるから。とダメージがいつのまにか前のめりに。ばりばりこなす、足し算の宿題。小5が、月謝払って、足し算……。小1が掛け算やってる横で。ううううう。
だが、
「プライドは捨てた!」
と、娘さん、高らかに11歳の決意。ちょっと、かっこいいわ。
私のほうが実はショックが大きくて、そして娘さんに比べてものすごーくかっこ悪いんだわ。
そこそこ大丈夫と思っていた娘さんが、こんなにケアレスちゃんだった事実をつきつけられて、即座には認められず、とっさに事実を隠ぺい工作しようとしたことを恥じる。
今、娘さんにとって大事な、彼女自身が必要としている支援を、私のくだらない見栄で邪魔する権利はないのだ。
娘さん、見てみぬふりをするより現実と格闘すると決めた意気や、よし。
ということで、五年も半分をすぎ、みんなくもんから進学塾に移る頃になって、くもん入会決定。
人生、いつからだってやり直しがきく。子どもなんだから、まだまだ間に合う。基礎は大事だ、頑張れ、娘。
中秋の名月に、娘を産んでいる。
今度11歳だから、もう12年前のことだ。
微弱陣痛で三日がかりで産んだ。
考えてみると、今なら丸一日陣痛が続いた時点でさっさと切ってくれと言うだろうに、当時の私は頑固だったなあ。
ほぼ飲まず食わず寝ずに三日。
薬でいったん陣痛止めて仮眠して食事して仕切りなおそうと指令を受けた途端、怒涛のいきみが始まって、一時間足らずで生まれた娘。
何しろ進みが速すぎるために助産婦が1人でてんぱってしまい、宿直の医者が間に合わない。
で、
麻酔無しであの一番やわらかい場所をハサミで切ったのだった。針で指先つついただけだって酷く痛いのに、ハサミで! じゃきっと。
広島弁なら、じゃきっとじゃき。いや、広島まったく関係ないけど。
それが出産で最も痛かったこと。
これは安産と言うべきなの、難産と言うべきなの?
担当医が「驚異の体力だね、鈴木さん」と笑っていたが、実際、私もそう思う。海亀以上だね。
産み終えた後に見上げた満月が、あまりに美しかった。
今でも、その時の光景ははっきり思い出せる。
そうだ、娘を満月と書いて「みづき」という名前にしようと思った。いつまでもこの感激を封じ込めておきたかった。
バーチャファイターを夜通しやっていて、だからだいぶ遅れて駆けつけた相方は当時まだ32歳。まるで小僧だった。父親らしさなんてかけらもなかった。
産みたての私を思いやる言葉もなく、うわー、うわーと騒ぎながら娘の頬をつついていた。アラレちゃんがうんこをつつくみたいに。木の棒こそ、使わなかったけど。
名月に乗じて、私が娘の名前を提案すると、
「だめだよ、そんなの。鈴木まんげさんって呼ばれるから。俺がクラスメートなら、絶対呼ぶね」
と得意げに、即座に却下したのだった。
……成長したなあ。
娘も、相方も。
今年の月も、美しかったです。
昨日、夕食は回転寿司で、6皿食べたらおなかいっぱいになってしまった。
ビールを飲むという発想がないほど、疲れていたみたいだ。何日かぶりでビールを飲まないで寝ようかと思った。
夜、雨が降った。
「初めてできた、大人の本当の友だち」
と小僧が昨日、食事会でぞっこん惚れこんだ大人、Y氏。
その人は、サッカー少年がそのまま大人になったような人で、強くてしなやかでやさしい。
初めて、こんないろいろなサッカー話が出来る人に会えたのだと興奮していた。
食事会の終わりに、
「メダル取ったら、見せに行くからね」
とY氏に約束して、今日の12チーム親善大会は朝から気合入りまくり。
予選リーグを勝ち上がり、手に汗握る準決勝。
他のチームに得失点差11点で勝ち上がってきた強豪と、0-0で分けてしまった。
同点コイントスで勝者を決めるという無情な試合になり、小僧の少年団は三位決定戦にまわった。
三位にはメダルがない。
三位決定戦は危なげなく4-0で勝ち、三位のトロフィーと賞状は団に頂いたものの、個人の成果をY氏に見せることはできないなあと思っていた。あんなに張り切っていたのになあ。
ところが、その後思いがけなく「優秀選手賞」を頂き、賞状とメダルをゲットしたのだった。
嬉しそうな小僧は授与式の後、最後の挨拶を終えるや私に駆けより、その第一声が、
「Yさんち、今日、行ける?」
なのだった。
東京の最果てに電車できているし、お嬢をおきっぱなしにしているので、今日はダメだといったら、初めてがっかりした顔をした。
なんか、いいな。
そういうひたむきさって素敵だ。
サッカーボールを蹴るサッカー星人たちは、サッカー語があり、何か私のあずかり知らないところで語りあえるみたいだ。よかった、サッカーのある星に生まれて。
この金色に輝くメダルと賞状を、小僧はきっと一生の宝物にするだろう。
Y氏との友情の印として。
「学年代表に選ばれたよ」
と息子が言う。
走るのか、サッカー大会か何かい?
「読書感想文だよ」
うっそだーっっっっ。それは、ないだろう。
だって好きな本持っていらっしゃいといわれて指差しスペイン語会話を持っていって、クラス中の笑いものになったんだろう?
「あ、先生の言ってたとおりだ。先生がお母さんはうそだーっていうから、本当だよ、一年生の代表だよと教えてあげてっていったんだよ」
と、得意げ、得意げ。
みんな二枚しか書けないのに、僕だけ7枚半書いたから。というのがその理由だというのだが、ええーっと、つい半年前まで言語療法士の訓練受けに、福祉施設に通っていた子ですよ?
というわけで、何か勘違いしているようだったが、それはともかく、たくさん褒めてくださってありがとうございましたと先生にいってみた。
「いえ、一年生ということもあり、大変ユニークな視点でとても一生懸命かかれた感想には見るものがあり、別のクラスの先生方とも相談して決定しましたので、間違いではないです」
というお返事だった。
あら、びっくり。
正直、かあちゃん、泣きそうだよ。
三歳まで何もしゃべらず、話し始めたら片言の、それもなぜか英語ばっかりで、知能検査が途中で計測不可になった前歴があるのに。
数値的には、言語だけ、著しく劣る人という結果が出ているのに。
ううう、今年の元旦から、毎日毎日、徹底的に日記を書かせてきて正解だった(泣)。
小僧、よくやった! 内容は知らないが、とりあえず七枚半、よく書いた。
とんびが鷹を産んだよぉう。
娘さんももちろん代表経験があるのだが、娘さんよりずーっと感激してしまうなあ。
ううう、お嬢、すまない。とってつけたようではあるが、君も、母にとっては鷹なんだ。
こけし顔の鷹。
自分の荷物を自分で背負えたら、大人。と、友人けんたから教えられる。
なーるーほーどぉぉぉぉ。
そう考えると、小僧の荷物はサッカー関係以外は基本的に持ってやるし、娘ですら親と一緒に移動するときには荷物を持たせていないわ。
つまり、自立の第一歩なんだ、林間学校。
大人になる訓練として思春期にお泊り集団旅行をするんだな。
そして、旅行のときの着替え以外の荷物も、いろいろと背負っていくのだ。
そのうち、人の荷物や人生まで背負えるようになるほど、たくましくなるのだ。
ものすごーく納得してしまったので、ここに記して忘れないようにする。
大人になるって、初潮とか精通とか発毛だけではないのね。
「毛が、ぼーぼー生えてくる、だっておかあさん!」
福助は広告コピーが大好きだ。そして漢字は勘でかなり読める。もひとつそして、彼は私を愛している。私が薄毛で悩んでいることをよく知っている。(メタボと薄毛でお悩みとくればたいてい中年男性と相場が決まっているんだが、こんなところで、なんて男らしい俺)。
「買ったら?」
薬局の手書き広告はインパクトがあった。だが、もっとインパクトがあったのは、その広告の前のレジにいた白衣のミスターうすうす薄毛氏(推定55歳)だった。
「いや、多分効果ないから」
と、必要なヘアムースを買って出たものの、店を出てからちょっと吹く。
こういうの、昔だと「漫画的」なんて表現されてたっけなあ。
漫画的なシーンは日常にごろごろしているが、大人になるとなかなかソレに気づかない。子どもを連れていると高さの違う四つの目で見られるんだなあと思う。
そういえば、そのときもサッカーのキーパーグローブと雑誌を買ったのだが、グローブは福助がして、あとの荷物は私が持っていた。
あと4年後には、私の肩ぐらいの視点からものを見始めるだろう福助も、林間学校に行く。
そして、15年後には、子ども達はここにはいない。結婚して14年だから、あっという間だなあ。
さらに40年後、ぼーぼー生えてくる毛はえ薬を、今度こそ買って自分で使い出すんだろうか。
一日一日を、慈しんで過ごしたいなあ。
五年生の林間学校のことはしっかり覚えている。
くだらない替え歌にしてメモしていたおかげで、未だにいくつか歌える。
そういう記憶を、昨日食べたお惣菜が何だったか即座に答えられるところに使いたいのに。
早朝出発、お見送りに行かなかった保護者は、ごくごく少数だったらしい。
みなさん、バスが発車するまで見送ったって。
はははは。私はその時間、パジャマでぼーっとコーヒー飲んでましたよ。
「荷物重いよー、かついで学校まで行けないよぉ」
と、娘がちらっと言っていた気もするが、
「気合が足らん」
と前かがみで背負わせてしまえば、登山用リュックは何とでもなるもので。
「ほら、歩ける。重いのは気のせいだ」
一緒に荷造りしながら、持ちきれないなら考えて荷物を減らせと言った。
せいぜい二泊三日分の着替えだ。
そのためのアドバイスならいくらでもするし、工夫ならとことん付き合うが、それを親が学校まで持っていくのはダメだ。教育的信念として、というより、お母さんの都合としてダメだ。
小学生のおかあさんになって365日必ず朝7時におきられるようにはなったけれど、最高血圧が90に満たない低血圧の私が、6時台に外出できるはずがない。30分はじーっと朝日を浴びないと動けないんだから、そのためだけに何時に起きろと言うの。って、イグアナか?
最近のお子様たちは過保護な気がする。
私の時代には全部自分で準備したもんだけどな。
荷造りのコツを教えながら、そう娘に言っている自分。
ああ、これは。
子供時代の私が俯瞰(ふかん)して、
「やっぱり中年になるとこんなこと言っちゃうんだー」と頭を抱える。
覚えておこう、大人に言われて嫌だった言葉♪と替え歌が流れるよ。
「だって、お母さんのときとは、時代がちがうじゃん。って、言いたくない?」
と、荷造りしていたP子に言った。母・ヨシコには言えなかった台詞。
P子は苦笑いで軽くうなづいた。
今ごろ楽しく山のぼりしているだろう。
ああ、あの時同じ班だった青木さんや原さんは、今ごろ何してるかなあ。
「いやだよ、おかあさんお化粧してないもん」と、私。
「いいよ、おかあさんお化粧なんてしなくて! スッポンでいいから、スッポンで!」
亀?
……こういう間違いが、小5女子にあっていいのだろうかと思う。
天然ぶりは福助に到底かなわないのだが、大人のような口調でいつも理路整然と話をするのに、割と頻繁に語句を使い間違える。ううーむ、そういうドジ(死語)なところもまた、可愛いのかもしれないが。
こんなんで、本当にこの子はお嫁にいけるのだろうか。
ふと、母・ヨシコが口癖のように私について語っていた決まり文句が脳裏をかすめた。
……ああ、大丈夫だ。私ですら嫁にいけたんだ。世の中に「マニア」は必ずいる。って、マニア扱いするか。
たくさんの人にもてなくても、たった一人にもてればいいのだから、一夫一婦制はなかなかグッドなシステムである。そして女の子は、自分で飛びたいハードルの高さを選べるのだから、強い。なんちゃなる(九州弁のマイペンライ)。
で、どんな話の流れだったか、
「お父さんみたいな人と結婚したかったら、もうちょっと気の利いた会話ができないとね」
と言ったら、P子、すごーく考え込んでしまって。
「勉強するわ、私!」
と、こぶし握って決心しているので、びっくりした。そんなにお父さんみたいな人と結婚したがる小5がいていいんだろうか。なんか、間違ってるんじゃないだろうか。
小僧はスペインに住むときにはお母さんも一緒に来るんだよ、と言う。
ははは。こっちも何か間違っている気がするが、想像するだけならタダだもの。わが世の春である。……季節は、秋だけど。
私は、退屈しがちな脳、なのでしょうがないニダ
一つの事に集中できない、だから
他のことにかまけて、練習が少ないのもしょうがない
息子と同じように、私のこれも一種の障害なのだから
他の数百人の読者は、どんな思いでこのブログを
読んでるんだろな
まーた始まったよ みその嫁、とか思ってんのかな
投稿者 名無し : 2007年09月16日 00:44
というコメントをもらった。
まわりにちゃんとした大人がいて、こういう書き方がどんなに失礼なことか教えてもらえなかったんだとすると、かわいそうな子だなと思う。
障害は、単なる障害という言葉だけどさ、こういう形で発せられる「障害」という言葉は、相手を嫌な気分にさせるって、覚えておいたほうがいいと思うよ。
もし、相手を不愉快にさせる目的でこういう言葉を使ったんなら、きっと言葉によって何かとてつもなく傷ついてきた過去があるんだろうな。
でも、そうやって誰か他人のところで復讐しても、自分の傷は癒えないと思う。
自分の中の本当の敵は何なのか、しっかりみつめて、そことちゃんと対峙するといい。
私も人間だからさ、元気なときとそうでないときがあるよ。
ここんとこ、夏の疲れも出てきてる。
まあ、自分のことは自分で何とかする。幸い、有難い励ましのコメントも頂いてるから、がんばろうと思うよ。
名無しさん、知り合いなのかそうじゃないのかわかんないけど、深夜に1人でパソコン打ってる貴女のことを考える。私の文章読んで不愉快にさせちゃったね。私は言葉による励ましにはすごくパワーがあると想ってるんで一応言っとく。
「がんばれ! 名無しさん!!」
名無しさんの気持ちが、うまくリカバリーできるよう、祈ります。
来年もまた。
と固く握手して、老人ホームの筝曲慰問は終わった。
大正生まれの方たちに囲まれて頂く「寿」の文字の入った練りきりとお茶。
戦争の話をすべきかすまいか、若さを保つ秘訣を聞いてしまった後で、話題を探しているうちに、茶会が終わった。
祖母が生きていたら、私のこの失態を何と言うだろう。
「よくやったよ、ゆうちゃん。間違えたところはいただけなかったけどね」
厳しくてやさしい、基本は赦しの、それは年寄りのもつ美徳の一つだ。私は天国の祖母にも語りかけながら、都合4曲を弾いた。
終わって、楽屋で久しぶりに涙した。
師匠にはみつからないように、こっそり涙をぬぐった。
涙のわけは、私の練習の甘さにある。
私のソロパートを結局師匠に任せるほどに、まるで元気のないお琴なのだった。ひどいものだった。
それはひとえに練習不足だからだ。
わざわざ、買ったのに。琴、いつでも弾き放題なのに。
慰問を楽しみにしてくれるお年寄りがいて、私はその方たちの前でまともな演奏が出来ずに終わった。
それでも皆さんものすごく喜んでくださって……とてもお元気で……来年もいらっしゃいねと言ってくださって……。
まったく、どこまでやさしいんだ、大正生まれの方達!
元気もらってんのは、慰問した私たちの方だ。
来年、お稽古を積んで上手になって来ますから。
至らない演奏ですみません、すみません。
と言いながら、私には多分存在する来年が、彼女たちには難しいのだと思うと、なぜこの一日に全力を尽くせなかったか!と心から申し訳なさでいっぱいになり、ふがいない自分を悔しく思う。
最期に祖母に会いたかったのに、忙しさにかまけて会いに行けないうちに、祖母は亡くなった。
大好きだった友達の見舞いにも行かないうちに、野辺の送りを迎えたこともある。
私は! 私は、自分が情けない。
94歳の方と握手していただいた。
たくさんの、ご長寿の方たちに握手していただいた。
どうか、彼女が来年もまた、同じ場所にいらっしゃいますように。
一緒にお茶を飲んだ方々が、同じ場所にいらっしゃいますように。
つたない演奏に拍手してくださった方々が、元気に日々を送り、また来年も会えますように。
敬老の日、おめでとうございます。
一時期、蕁麻疹があまりにもひどかったので、病院で検査をしてもらった。
ダニ。
アレルゲンはぶっちぎり、ダニと出た。
ハウスダストとダニは小僧の弱点だったが、私もまったく同じ条件を持っていたのね。
ラグだけで充電が終わるほど、めいっぱい掃除機をかけた。
薬を飲んだ。かゆみ止めも塗った。洗剤を粉石けんにして、洗えるものは全部洗った。後はお日様を待って、日干しすれば、もう大丈夫だ。
うれしかったのは、動物上皮が検査で限りなくゼロに近かったこと。
やったあ、コレで老後に猫を飼える! 犬もいける! ウサギでもいい。とにかくダニがだめなので、ばりばり風呂に入れよーっと。昔飼っていた猫は、お風呂好きだったんだ〜。
一応、真っ赤になっていた検査シートもって、大喜びしている珍しい患者でした。
あとね、黙っていたけど、回虫疑惑があったんだけどね、
「ははは。大丈夫、回虫は基本的に悪さしないから。それに、鈴木さん、回虫いたらもうちょっと痩せてる」とお医者様に言われて、そのあまりの無邪気さについうっかり一緒に笑ってしまったわ。これこれこういう不調があったら検便ね、と言われて、おしまい。
猫と犬の前に、回虫飼ったろおかしら。
心がくたびれたときには、友だちに会う。
その計画があるだけで、なんだか張り合いが違ってくる。
あの人とあいたいなあ。
私は、友だちにそう思われる人になりたい。
でも、実際には忙しくてなかなかままならない。
会いたいと思ってもらっても、期待に応えられなければ、ランキングは下がっていく。
気が付いたら、誰も私と遊んでくれなくなっていたらどうしよう。
どうもノン様以降、思春期の少女に一部戻ってしまったのか、不安定この上ない。
おばちゃんである強さと重みを思い出せ!と、今朝も体重計に乗ってみる。
体重は計りつづけて記録するだけで痩せていくから。と、さる賢人言われたが、なぜか増加の一途をたどっている。不安定この上ない状況に陥るとすぐに痩せてしまった思春期に比べて、なんて健康的なの。私は大丈夫だ。大変に丈夫だ。
よし。今日もがんばろう。
相方の漫画、十月号の展開に絶句する。
銭 エンターブレイン刊 月刊ビーム連載中
葬儀屋をテーマに選んだときから、なんとなく胸騒ぎはしていたのだが、生と死を扱うストーリーには、フィクションでありながらいよいよ内面のノンフィクションが随所にのぞき始めた。
作家というのは、どんなことも糧にするんだなあ。貪欲だったんだなあ。
公務員と結婚していたら、こんなに不安定な暮らしにはならなかったに違いないけれども、多分こんなにドキドキすることもなかった。漫画家の嫁というのは、実に面白い稼業。
とりあえず、明日のために、私は米を研ごう。
生きている限り、メシは食う。
できればメシは、好きな人と楽しく話しながら、食いたい。
そして、それでおなかがいっぱいなら、それが何よりの幸せ。
それは単純な私の欲している世界であって、きっと相方には、違う世界が見えているに違いないんだが。
中坊の心。
啄木か。
いやあ、正確に言えば、ポカスカに吸われし、42の心。
ああ、42才だって。
ちくしょう、21歳の私が二人分だが、さすがにそう思ってもらうのは無理がある。
21歳なら、本気でカニバサミしにいくだろうに。寝技に持ち込むことも出来ない、ヤワラちゃんならぬタワラちゃんの私。ママでも金。
それでも、ノン様の前では極端に「乙女」になってしまうのだ。それはもう、中学生のように。
新しく買った浴衣と、アイロンをあてた浴衣、それを二着はおって、三着も着なおす。帯だけで何度。
検討に検討を重ねたのに、着てみると何かが違う。
「床に広がる衣の海」と詠ったのは阿木遥子だったか、本当にポカスカジャンに会う日のときめきは憧れよりも苦しみめくのである。
久しぶりに塗るマニキュアで、爪が呼吸できずに苦しがっている、という意味でもある。
待ち合わせに遅れて、汗だくになる。
こんなことなら、最初から決めてたやつを着ればよかった。
中学生ならリップクリーム一つですんだことが、毛穴を埋めてシミを隠して、中年女はなかなか忙しい。必死で作り上げた顔も、新宿を走り回り、汗でドロドロ。妖怪の面持ち。
初恋は中学一年生のときだった。
バスケット部で、生徒会ではリーダーで、歌が上手くて、文化祭ではギターを弾いていた、先輩。
私が高校に入ってから偶然もう一度出会って、叶ってしまった初恋。
手をつなぐこともできない。
ただ後ろから、彼にくっついていくだけだった。
抱きしめられただけで、泣き出してしまった。
そんな不器用な子ども同志に、続くわけもなく……。
その彼は、
ノン様に、
ちょっと似ている。
だからポカスカジャンのライブはひたすら腹がよじれる場で、健康のために免疫力が上がるとか、みていると笑いすぎて痩せるとか、どっちかというと狙いはそっちなんだけれど、そして実際、ノン様にも「目立つ笑い声だよね、腹式?」と指摘されるほど笑い倒してカロリーも消費しているのだけれど(アルコールで補填)、その合間合間にはノン様を私の中の少女の瞳が熱く見つめるのである。ジキルとハイドのようでもある。
ヨン様に恋する中年女性より恵まれていると思うのは、ノン様には実際にお声をかけていただくことができることだ。その辺が、サッカーの日本代表になるより、カバティの日本代表になるほうが多少楽、というのに通じている。福助にはいつかサッカーより代表になりやすいスポーツがあることを教えなければならない。
それでも、ライブ後にきさくにお話してくださるノン様に、握手してください。とか、ハグしてもいいですか。とか、絶対言えない。
たとえこの体は子どもを産んで崩れきっていようとも、私の心は正真正銘、中学生に戻っている。
御神体お三方と一緒に写真を撮ってもらっているとき、心臓の鼓動が聞こえるのではないかと気にしている私を察知して、タマさんがぐいぐいノン様の方に押してくれるのだが、それもまた中学生時代のようで、甘美に胸の奥が痛む。これで十分だ、幸せすぎるほど幸せだ。と、私の鼓動はさらに高鳴る。
……安い。
こんなトキメキつきで、3500円(当日精算券)。
ホストクラブを模しているコンセプトだから、彼らは入場者にとことんやさしく、当然一番前に座っている私にもにっこりと何度も笑顔を向けてくれて、そして厳選されたネタは最高、笑いっぱなし。さらに本物のクラシックを聴かせるゲストありとくれば、元、とりまくり。これはなんかとってもお得だった気がする。
って、喜ぶところが違うから!
そんな計算するところがもう、不純なんじゃないだろうか、おばちゃん!
13歳の初恋からもう30年もたつのに、初恋だけは、消せないものなのかもしれない。
ポカスカジャンの日。
うわーい、うわーい。心躍る。
保護者会も歯医者も、怖くないぞ。
だってあとで素敵な三人に会えるのだ。
ポカスカジャン伊達男倶楽部 HOT HOT PSJ!
出演:ポカスカジャン/日替わり豪華ゲスト 今日は多分杉ちゃん&鉄平
ワハハ本舗 http://wahahahompo.co.jp/
前売3,500円・当日4,000円 (別途ドリンク)
ああん、生きててよかった!
でも、出来ればあと10年若くして、出会いたかった!
いろんな意味で!
と、こんなところで書いたら、私の素性を知っている人に、私の大興奮ぶりを目撃されてしまうのではないか。
巨体を小さくして、柱の影から明子ねぇちゃんのスタンスで。
そんなおばちゃんを見かけたら、気軽にお声をかけてください。
ポカスカ仲間に、年齢差はないのよ。
退屈しがちな脳。
相方と話していて、どうも私の問題はそこにあるという結論に。
同じ場所にモノがおけないのも、
無意識で食器を割ってしまうのも、
やたらとリネン類が増えていくのも、
家事の中で唯一苦痛じゃない掃除では毎回必ず小さな模様替えをするのも、
髪型と髪留めが毎日違うのも、
やたらとTシャツを大量買いするのも、
白米も三食続くとダメだからごはんをよく切らすのも、
常にここでないどこかに行きたがってしまうのも、
伊豆の温泉は全部制覇するのだと息巻いているのも、
なじみの店を作るよりは新しい場所に挑戦したいのも、
本を何冊も並列読みするのも、
それがルーティンになったとたんに、飽きちゃうからだ。
とんだ冒険野郎だったんだ。
安定するのが怖いんだ。
刺激がないと死んじゃうんだ。
家事、嫌いなわけだ。
もう43歳になろうとしている今さらではあるが、平和な日常に適応するための方法を考えないといけない。
同じ傾向の方で克服された方、リハビリ方法を教えてください。
「病気を思い知らされる」というのは筆が走りすぎた。
小学男子なんてこんなもんでしょ、と思ってる。普段は。
どこからが境界線よ、発達障害っていったら、みんな発展途上だもん。とも、思う。
相方はサヴァン気味で、彼の天才的な幼児期の絵を見て、震えた時にわかったことがある。
私は普通の人より、変わり者が好きです。
変わり者フェチといってもいいかもしれない。
だから小僧の病名を告知されたときも、、ショック受けるよりは「やっぱりね」って感じで、むしろおもしろがって療育してきた。
目立たなくなっても自閉症でなくなったとは思っていないし、かといって自閉症だ自閉症だと大騒ぎするつもりもない。
そういう意味では、私は障害を決してフラットには見ていない。
障害は障害。特別ダメなところと特別出来るところがある、ダメなところは上手くごまかし、できるとこだけで勝負していけばいいじゃんと思っている。
極論すれば、上手くごまかすのを手伝うのが、ゆう子式療育だ。
手をヒラヒラかざす常動運動は、サッカー選手がキックしている形に置き換えてやれば、別に気持ち悪がられることもなく「福ちゃん本当にサッカーが好きなんだねぇ」ですんでしまう。
くるくるターンしてみたくなったらボールを持ってジダンルーレットだ。
男子なら自閉症でなくても必ずやってみる変な動き、繰り返し続けさえしなければ、問題はない。
繰り返し続けたい欲求には、リフティングとかシュート練習、計算問題、語学学習を与える。それはどんなに繰り返しても叱らない、むしろ褒められるので、喜んで練習しつづけ、さらにスキルアップする、という寸法で。
こだわりは、集中力の強さに。
活かし方次第で、病気は武器になる。
わかっているのに……。
ダメなとこ、ひどい指摘の仕方をした。
他の子とは違うと思い知らされるのは説教のときだ。
怒鳴ってしまったのでは、福助には、要旨がわからない。
ただ感情的に怒ったのでは、「あの時母は怒った、殴った」という記憶しか残らず、何が悪かったかと関連付けては考えられない。
それが病気の特性だから。
ダメなとこ、上手くフォローしてあげなきゃいけないのに。
ダメなとこを思い知っても、正直、「サッカーはすごい」から、いいんじゃないかと思ってきた。
だが、そのサッカーですら、性格的なヘタレが災いしてせいぜいここまでか。と、さらにがっくりきて。
勝手に期待値上げて、ワケわかんない叱り方してんだ、何やってんだ、俺。って気分で、ダメな母親だなあと落ち込んでます。まあ、普段元気ありすぎるから、このぐらいのほうが静かでいいかもしれない。
めっきり落ち込む。
放課後、学校で遊ぶ約束をした小僧のお友達Yは、学校には来なかった。少年団に行く時間になって学校にお迎えに行くと、小僧は上級生と夢中でサッカーをしていた。
福助小僧はタフである。ボール一個で誰とでも遊べる。
福助と私が校門から出るとき、Yに会った。
学校に様子を見に来たようだった。
小僧が嬉しそうに駆け寄り、話し掛けると、黙り込んで下を向いてしまった。
Yが来なかったのは、小僧が別の子に誘われるのを見ていたからだ。実際、優柔不断な福助は、数人の子が集まるA君の家に行きたいと言って、ダブルブッキングを私に叱られている。
もし福助がA君のところに遊びに行けば、放課後の校庭で一人になってしまう。普通、一年生が他の学年に混じって遊ぶのは難しい。だから、来なかった。
でも、福助はYとの約束を守っていた。
いつもは明るいYは、福助を責めたいのか、自分を責めているのか、泣きそうな顔でうつむくばかりだった。
男子のやることだ、まあそんな感情の行き違いなど山のようにある。Yの心を傷つけるダブルブッキングを叱られて、福助も少し大人になったかもしれない。
とかなんとか。
普通なら、これ、普通にいい話。
今や普通の人のスケールに当てはめて私は福助を育てていて、相手の気持ちになって、だとか、そんなことを言われたらどんな気持ちか、とか、実に丁寧に教え諭しているつもりだったが、このあと、私は感情を爆発させてしまい、昨日の私はひどく落ち込んだ。
人の気持ちを考えないのは男子にありがちなことで、究極の男子脳といわれる自閉症は、特に著しく男子の困ったちゃん部分のエキスが濃い。
負けるの嫌い、という想いから、少年団公式戦参加の発表に、福助、
「俺、やだ。行かない。試合でない、疲れるから」
と、真っ先に堂々と監督と選手の皆さんの前で発言して、思い切り空気を冷やした。もちろん、その場で母に叱られる。
負けるのが怖いのはわかるが、しかしよりによって疲れるからとは何だばか者。しかも、監督の意向とか、空気を読め! と、帰り道でずっと説教。
だって負けるもん、勝てないもん。と、うじうじしているので、そんなこと言うやつは士気を下げるから連れて行かないことにする、周りの選手に頑張ってもらえ。と母が宣言すると、今度は自分が行かないと勝てないから、行ってあげてもいいみたいな発言をして、「このへたれ天狗がっ!」と、母に道端で思い切り殴られる。
優柔不断で、自信過剰で、そのくせ本当は弱虫で、だが「やっぱり出たい」とか単純な主張は力強く、意味なく繰り返す力技で何とかなると思っている。
最低だ。と思ったら、もう私が止められなかった。
「そんなこと言うやつが選手になれると思うなよ、お前なんか今日からマッサージもなしだし、食事管理もしないからそう思え。練習には付き合わないし、応援にも行かないし、試合にもエントリーしない。勉強もしなくていい。ゲームだろうがテレビだろうが、好きなことを好きなだけして、いいかげんな人間として生きて行け!」と激昂してしまい、福助を号泣させた。
病気というより、個性とか才能とか、そういう色合いが濃くなってきたと思っていたんだけどな。なんか、私、何期待してんだろうな。
普通に育てるなら、こういう親子喧嘩もありだと思う。選手育成、みたいな所に立っている親は、結構皆熱い。
だが、その後に私を襲う激しい自己嫌悪。
早口でまくし立てて叱ったって、福助にはわかんないよ。
彼の聞き取り言語能力の低さは、私が一番よく知っている。
空気読むとか、人の気持ちを考えるとか、病気なんだからできない前提に立って、どうするのか一つずつ噛み砕いてインプットしなくちゃ。
雰囲気で察知するとか病気の特質としてダメなんだから、こういう場でこういう発言はしないと、冷静に記憶させていかなくちゃ。
何より子どもなんだから、病気だろうと健常だろうと、失敗するよ。均衡とるために弱気の発言もするだろう、そういう丸ごとを受け止めなくてどうするの。とりわけ、福助は失敗や叱られたことをいつまでも律儀に記憶している、そういう病気なんだぜ。
でもさ、いつもいつも冷静でなんかいられないよ!!
やるべきことがたくさんあって、
ぽろぽろ落としていくので、
また翌日にやるべきことが山積みになっていく。
粗大ゴミ、出し忘れ。収集の人にベル鳴らされるまで気づかず、しかもゴミ処理券がなかったために、もう一度振り出しに戻る。
税金、払い忘れ。なぜ郵便局で順番が来たときに支払い用紙がないことに気づくのか。
発表会用の練習、一琴でなくて二琴だって、つまり違う楽譜練習してたのねっ! ばかばかばか。
そのあたりが、昨日の失敗ベスト3。
その他、コップ割ったり掃除機詰まらせたりステレオ壊したりした、小さな出来事は忘れてしまおう。
泣きそうだ。
泣かずにひとつひとつ。
まずは本日、役員会で学校へ。
役員会で会社重役室へ、というなら、また違ってくるんだろうか。
コツコツ。小さなことから、コツコツ。
ああ、コツコツやるのが一番苦手なんだよ。ううう。
明日から新学期なので、慌てて雑巾を四枚縫う。
上履きに名前を書く。
お道具箱のチェックをする。
通知表に書き込む。
子どもの夏休みの予定表に評価を下す。
宿題ドリルの丸つけをする。
……こんな宿題が、親には残っていたのだった。
二学期からのスケジュールが到底管理しきれなくなってきたので、またファイロファクスに戻してみたんだが、これからの予定を書き込むのがすでにものすごく大変で。
ああ、早速役員会があるのに、委員会のアレをやってない、コレもまだ提出していない、しまった、お琴の発表会も間近だというのに、一日10分練習しようと心に誓ったのに!! どうする、もう深夜だぜ?
というわけで、子ども達はまったく問題なくゆとりを持って宿題を片付けた夏休み、九時にはすやすや眠っていましたが、私だけがまだ夏休みの宿題におわれていますよぉう(泣)。
娘さんの親善試合だった。
得点に絡んだか、といえば、絡んだ。
自陣ゴール前のパスを見事にクリアして、相手FWに絶妙なパスとして渡し、敵に決められて失点。×2回。
得点にからんだ、というか、ううーむ。
みなさん、スミマセン。
なぜサイドに蹴りださず、真中に考えナシに蹴るのか。
なぜポジションを忘れて、真中でぼーっとしているのか。
なぜ体を張って止めるのではなく足で蹴ろうとするのか、無理。
なぜ、なぜ、なぜ。
……いいたいことは山のようにあるが、試合が終わった後の娘が真っ赤に上気して、ものすごく楽しそうで、あの笑顔見たら、それでいいのかもしれないと思って「なぜ」を飲み込んだ。
勝っても負けても、笑顔でプレイしようというのがロナウジーニョの教えである。
負けても負けても笑顔でいられるというのは、案外奇特なのかもしれない。
数あわせだけのために入部したはずが、DFとしてそれなりに動けるようになってきた。親の欲目をいれて、47点、いや、42点ぐらいの出来にはなっているのではないか。
足が遅く、運動神経がない娘には、最初から何も期待していないのだが、あんなに一生懸命ボールを追い、あんなに楽しそうにサッカーをしているだけで、なんかこう、親孝行的見地からは十分なのだった。
体が大きい分、石ころよりはマシかもしれないし。
終わってからもチームメイトと笑いあって、本当に楽しそうなのだ。ドヘタのPちゃんでも、ちゃんと居場所があるのだ。
こういうのは、幸せなサッカー環境だと思う。
多分娘はサッカーにいい印象しかない。ずっとサッカーが大好きなままだろう。ずっとサッカーが好き、というのが、何よりの財産かもしれない。
サッカーの上手い子には、別の重圧がかかってくる。それらを跳ね飛ばして、たとえば小僧はどこに行くのだろう。
上手い子には上手い子の喜び。
下手な子には下手な子の愉しみ。
少年少女サッカーは、まったく奥が深くていいね。
ちなみに、娘が公式戦でゴールしたら、我が家では海外旅行という決まりになっています。
息子は公式戦でハットトリックや、リーグ優勝などを決めると、靴下やサッカーシューズ、ボールなどサッカー必需品が買ってもらえる事になっています。
すでに足で稼いでくるファンタジスタな息子と、ファンタジーの世界を楽しませてくれる娘。
そりゃあ、夢中になっちゃうよね。
寝室のクーラーを直さないうちに、夏が終わった。
いやー、今年の夏は、サッカー三昧で実に真っ黒になったなあ。小学生並みに黒い。
いや、最近の小学生は忙しいから、小学生の頃の自分並みに、黒い。uvケアなんて言葉は、サッカーママの辞書にはない。
ところで、都内某所の、とあるボランティア団体に登録してみた。
お役に立つのは大好きだ。
小僧がたくさんお世話になったのだから、何らかのお返しをしたかった。
問題は、私は若造なのであまりお役に立てない点にあることだが、そこはこれから経験していくこと、教えていただきながら、笑顔で乗り切れるものと思っていた。
ミーティングは、過去のやり方を美しくトレースしていく前提で進んでいたのだが、過去のやり方をこうしたらちょっと合理的になるのでは?と遠慮がちに提案してみたところ‥‥
「ずっとこのやり方できているのね。そんなこと、できないから。ま、やれるもんならやってみたら? ‥‥でも、まず無理だから(にやり)」
橋田寿賀子のドラマですか、これは。
正直、とてもびっくりした。
いやあ、何でも経験してみるものである。
ボランティア登録しなければ、多分、一生聞くことはなかったと思うの、こういう台詞。
気が小さかったら、泣き出しちゃうと思った。
もちろん、即座に提案は引っ込めた。新参者の浅はかな思いつきより、多分、その方のおっしゃることは正しいのだ。
無理だと検証済みなら試すには及ばない。
そして、ああいうものの言い方は自分の意見を通す戦略として大変に効果的なのだと知る。
ただ、私はあそこまで慇懃な口調で人とはお話しできないので、私の武器としては使えないのが残念だ。
その人は、多分辣腕だ。聡明さは少し話せばすぐにわかる。
いろいろと学べそうだと期待するところは大きい。
だが、正直、私には向かないところに飛び込んじゃったなあと思わなくもないの。だって、私は事務的な仕事とか、創意工夫を禁止された、過去と寸分狂いなくトレースする仕事みたいなことが、とてつもなく苦手なんだもの。
サッカーで忙しいのに、何やってるんだろうと思う。
ああ、少年サッカーだけ見つめて生きていきたいよ。
夜、町会の寄り合いに参加する。
私が多分最年少と思われ、まったく役に立っていない点では、某団体での位置づけと同じなのだが、何を言っても笑ってお返事していただけて、今夜は子ども祭りの打ち上げも兼ねていたから一杯入って口調もとってもくだけていて楽しかった。
通常、新しい提案を否定されるときにも、町会長は事情をきちんと説明してくださるし。
何より、周りの奥様方に、きっちり受け入れられている感がある。ありがたい。
ああ、地元はいいなあ。こういうボランティア活動なら(町会はボランティアとは言わないが)、大歓迎なんだけどなあ。
小僧が選手になったら、町会で横断幕を作ってくださるのだそうだ。冗談でも、うれしい。
サッカー、がんばろうね、小僧。母が勝手に、町会も背負っちゃったことだし。
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