キッザニアに行く。
http://www.kidzania.jp/
あれはなんだろう、平日の夕方だってぇのに入場前長蛇の列です。
のっけからANAカウンターで搭乗手続きを待つ演出なわけで、お盆の海外旅行気分。
もちろん自営の私たちは子ども休ませたって平日のすいているときしか旅行なんかしませんから、いきなりびっくりでした。
P子はネットで下調べして、放送局に走りましたが、初回間に合わず。
福助は特にやりたい仕事があるわけではなく、おなかがすいていて不機嫌。
というわけで、働きたい意欲が熱気になって渦巻く街で、うちの子達はいきなりニートですよ。
まず腹ごしらえ……は、結果として時間差の食事摂取となり、まあ、混雑を避けられたので正解だったとして、これは選ぶ仕事で個性が出まくるなあと思いました。生半可な占いより、きっと子どもの将来が見えます。
P子は放送局のアナウンサー、病院で執刀医、ビジネスセンターで企画会議に出る予定でした。
アナウンサーだけは40分待ちして夢をかなえ、あとは救急隊員、新聞記者という第二志望のラインで働き、締め切り10分前に仕上げたわふふんと鼻息も荒く、全額銀行に蓄えて「お疲れ様」。
次こそ手術と、歯科医と細菌研究と……と、頭脳労働を志していました。
将来に備えて、赤ちゃんケアと幼稚園の先生も押さえておかなきゃ、あと最低でも三回は行くわと、堅実です。
一方福助は二度目なのでがっつくことなく、ハンバーガー屋でハンバーガーを作り、ボトリング工場で飲み物を詰めてそれらを自分の夕飯にし、ソフトクリーム屋かお菓子工場に行く予定が、通りがかりの欠員で急遽カメラマンになり、ソフトクリームを激写、記念写真をタダでいただき、別の意味で堅実な肉体労働系社会人生活を送りました。
子ども専用デパートでお土産タイム。P子は早々に出てきてしまい、
「ほしいものは何もない。あるとすれば時間がほしい、あとみっつよっつ、稼ぎに行きたい」
と働き者発言をし、福助は114キッゾ(100キッゾおよそ200円)あることをお店の人に確認してもらってから一枚の記念絵ハガキを50キッゾで買っていました。初月給で買ったプレゼントは、幼稚園の担任の先生にあげるのだそうです。
「そうだ、最後に、幼稚園でひと遊びしてこよう」
というので、同じ遊ぶならスポーツクラブの会員になってみたら? と薦めると、
「会員は3キッゾいるけど、幼稚園で遊ぶならタダなんだよ」
つつましく暮らしていると、子どもは大変堅実になるようで。
……そして、園の先生役のお姉さんたちに囲まれるハーレム状態にうっとり、最後まで離れがたかったようでした。
私が子どもだったら何になろうと思ったかなあ。どこに行ったかなあ。と思いながら五時間ずっと街を歩き続けていました。旅行すると必ずやること、街のうろうろ歩き。キッザニアタウンなら、もう完璧にどこでもわかるわ。私の旅行欲も昇華できて、ヨカッタよかった。
次回は、子どもたちを働かせて、私はペアレントラウンジで優雅な休暇を過ごす予定です。
ぐったり眠そうなP子に電車の席を譲って、帰りの電車でもしゃっきり立ち続ける福助。
神様のくれた強靭な脚はこんなところでも役に立ちます。帰り道暗がりで走ってふさげて転んで、すねとおでこをすりむいたことのほかは、とても楽しい一日だったようです。
もちろんP子も今朝大変ゴキゲンな様子で学校に向かいました。
いいもんだねぇ、働く意欲があるというのは。働け、若人よ。
仕事をしたい、という希求は、見ているほうもバリバリ、元気になります。
あ、でも相方、びっくりするほどの高熱だしているんですがね。
サンリオの、いや、日本を代表するアジアの愛されキャラといえば、キティーちゃんであることは疑いがない。
少なくとも私は疑わない。
さすがにキティラーになろうと思ったことはないが、正しい日本の少女として当然キティがついた小物のひとつも持っていた。
その金物屋さんの親父さんは年のころなら70歳ぐらいだった。近所のスーパーの店頭を借りて、「ドライバ1本30円」などという破壊的な価格で年代モノを売っていた。おそらく、ご勇退前の投売り状態なのだろう、随所に置かれた超特価の手書きの文字も、白い厚紙にマジックでゴリゴリっと、昭和テイストのいい味わいだった。
親父さんは店に入る人に一通り声をかけていた。
渡世の義理に篤い私としては、声をかけられれば一応見るのである。
そこで私の目が釘付けになったのが、ハローキティのタッパーだったのだ。
パチモノではない、ちゃんとしたキティキャラがついている。
ピンクで色味もとてもかわいい。何かバルブがついているあたり、最新型真空パックでもついていたのかもしれない。最新型すぎて、この親父さんには扱いきれなかったのか。お弁当箱にどうだろう、値段はいくらだ、場合によっちゃあ買ってもいいなと思いつつ、目で価格を探す。
キティちゃんの箱の上にそれはしっかり貼ってあった。白い厚紙に黒マジックではっきりと
「大特価品 ミーコチン 600円→300円」
……ん? ミーコチン?
確かにキティは猫である。ミーコといえば、タマに次いで猫に多そうな名前ではある。
親父、ずいぶん強引に名づけたな。
ミーコだけでもよかったのだろうが、アジア代表の威厳は親父にも伝わり、敬称チンにつながったにちがいない。チャンじゃないところにセンスを感じる。
それにしても誰か、この親父の暴走を止める若人は傍らにいなかったのか。
親父にとっては、キティは「ミーコチン」として、おそらく昭和平成激動の混乱期を乗り超えてきたに違いない。んー、どうですか、ミーコチン。「こんにちわミーコチン」。
念のため申し上げれば、ミーコチンは、ミッフィーではない。ミッフィーは帰化名がうさこちゃんである。
一番輝くメダルではなかったけれど。
7試合を走りぬいて獲得した勝利は立派だ。
U6はとにかく面白い。私は君と君のチームが大好きだ。
美酒に酔う。
しあわせな一日だった。
で、ちょっと二日酔い気味。とほほ。
福助は卒業を控えて、なんとなく浮き足立っている。
今日は、担任の先生に卒業式にお渡しする手作りアルバムに貼る手紙を書いた。
「書けたよ、おかあさーん」
というので、どれどれ、と見てみると。
「みかみせんせい、すきです。大きくなったらしリーガーになります。ツーズンチケットをあげるのでミニきてください」
Jリーガーにはなれなくても、しりーガーにはなれそうなんじゃないか。しリーガーが何をする人かは知らないが。シーズンがツーズンになっても、君の想いはズンズン積もっていくのだろう。みかみ先生は絶対にミニを着ないとは思うが、あまりにも大きな試合ならきっと見には来てくださるだろう。
大好きな人に、好きですと伝える。
大事なことをきちんと学んでいる。
いいぞ、いいぞ。いい男に育っている。
ひところナカタのようにサッカーから心が離れてしまっていたのだが、今はまたサッカーに気持ちが戻った。
今週末、気の合うチームメイトと一緒に大きな大会に出る。ボロ負けしたらと思うと怖い賭けだが、そうなったらそうなった時に考えよう。
練習に余念がなく、イメージトレーニングも欠かさない。この辺の半端ない集中力が自閉症の強さである。先日のu-21の日米戦はアメリカを宿敵チームに見立てて、リン(仮名)には平山のポジションで仕事をしてもらい、自分は水野のような動きをしたいと力説していた。
明日は公園でちょっと練習をする。
母親たちが相手をするので、今日は入念にストレッチしておこう。
味の素スタジアムでの戦いを終えて、福助はこの三月、飛び級した小学生チームを去ることになった。昨日は二失点の一得点。六年生からアシストされた球を決めたのを見て、やっとチームメイトに信用されるようになったんだな、ボールがもらえるようになったんだなあと、ちょっと感動し、去りがたい気持ちにもなった。
最初は一人だけ雛鳥のように弱っちい体だったのだ。特に大きな子から見たら、半分ほど。ぶつかったら吹っ飛んでしまう場違いな小僧を、おみそ扱いせずに共に戦う意識にもっていくのは、なかなか難しかっただろう。
シュートを決めて、ナイスクリアをして、前線にパスを送って、PKを決めて。そのひとつひとつの実績が信用につながっていく。最初はどんなに弱い存在でも、その小ささを小回りのきく武器として生かし、認められた。
結果的に、福助は、上には上がいることを知りおごることなくサッカーとつきあってこられた。絶対に仲間を責めないことも、自分が上のクラスではうまくないことを知っているからだ。まわりからは、可愛がってもらったとも思う。本当に幸せな出会いだった。
進路は私に迷いが残るのだが、本人がいろいろ見てまわって、地元の少年団に入ると決めた。
「フィールドが大きいからフルに走り回れる」
というのが決め手なのだから、まともに走れない私になど、何も言えない。
サンタクロースがくれた20センチのスパイクはもうきつくなっている。子どもの成長は早い。たいていの子どもの問題は子ども自身が成長と共に解決していくんだなと、引退宣言以降の彼を見ていて思う。
つまらない問題を大きく捉えすぎて大騒ぎしているのは、きっと成長速度の遅くなった大人の方なんだ。私自身が、問題のまわりで停滞してしまって、きっと一人で大騒ぎしてしまうんだ。
大人にはたくさんの経験値があるが、柔軟性はない。
今一番悩んでいるのは、小学校に入ったときにどうするか、だ。
カミングアウトすることはなんでもないし、どうやって笑いに持っていくかを日々考えていたりもするのだが、私の告白によって偏見カチコチの大人は、知らなければ普通に友達でいられる子どもたちに、隔離の壁を作るのではないかと懸念する。
心に壁を持たない健常の友達がいるなら、その人が架け橋になってくれることを、私はいくつもの奇跡的な例で知っている。
構えられても困るのだ、ちょっと不自由なところを手助けしてくれるだけでいい。それは多分、持てる優しさで十分できることなんだと思う。哀れむ必要もない、障害は、苦手なことがちょっとぱかり多いからその分不便だけれども、それは不幸なこととは次元が違うからだ。
しかし、そう力説することが、逆に福助を追い込まないかと悩んでいる。
幼稚園のママ友のように、全面的に理解・協力してくれるのかどうか。一丸となって進んでいく謝恩会の準備を見る限り、うちのママ友のフットワークの軽さには驚くが、小学校で出会う新しいママ友が、尻の重いタイプだったら……。
福助はまだ30分のドラマが見られないし、耳から聞いた本の読解は情けなくなるぐらい苦手だが、それ以外はさほど無理なく地球で暮らせて、算数とサッカー、得意な分野ではちゃんと快感も得ている。
平均的に何かが出来るかといえば著しく劣る分野がある。が、そこに着眼するのではなく、特出して出来ることでとりあえず平均点をクリアすればいいと私は思っている。そして、なんとかギリギリ、多分、平均点には届くのだ。
友だちが大好きで楽しそうに遊び、親の欲目ならまったく、客観的に見てもさほど問題はないと思う時、下手にカミングアウトすることを正直、怖いと思う。
それとも柔軟性こそなくしていても、大人の英知を信じるべきか。
また大人がカチコチの頭で、問題の周りでくるくる停滞して、大きくしているだけかもしれないな。
しリーガーと書いた後、読み返しをさせてみたら、福助はちゃんと気づいて、Jと書き直しているのだ。自分で何とかしようとする彼に、親がミスリードしてもいけない。親は、尻が重くならないようにストレッチしていつでも動けるように準備しつつ、とにかく見守るスタンス、というのが小学校に入る時の心得のような気がした。
カミングアウトに関しては、まだ答えが出ないのだが。
口の中にみっちりキャビアな感じの舌触り。
大好物なんだけど、魚の卵みたいな口の中というのは痛いもんだったのね。
チョコレート食べたらナンプラーの風味がしたので、珍しいなあと思い、おせんべいを食べたらやっぱりナンプラーのにおいがした。何を食べてもナンプラーっぽいのは、口内炎のせいなんだろう。
舌をべろーっと出しておくとちょっと楽な気がして、入浴中ずっとそうしていた。体を洗う段になって、鏡にべろだし全裸の自分をみつける。かなり間の抜けたものなのだなあと思った。
こんなに口内炎が激しくできたのは42年間で初めてだ。
歯を磨くと、痛い痛い。でも、その初めての痛さが新鮮で、ずーっと歯を磨いていた。
今は歯茎まで痛い。じんじんする。やめておけばよかった。
そんなわけで、光を見たいくつかの出来事があってまとめたいのだが、頭が考えることを拒絶している。ひたすらあくびばかりしていて、どこか壊れちゃったみたいだ。
今週末には決して負けられない大会があり、そのあとにはキッザニアだとか謝恩会の練習だとか、いろんなことがてんこ盛りだ。お雛人形もまだ出していない。風邪引いている場合じゃなかったのに、何してるんだろうか。
あ。今、舌の先にまた卵が産み付けられた。うへぇ、もう何も食べるなってことだー。
痛くてひもじくて眠い。寒くなくて痒くなくて、よかったよ。
おなかがすいてすいてすいて、なんか食べたくて食べたくて食べたくてしょうがない。
で、眠い眠いったら眠い。
インフルウィルスはチョコレートがお好きだときいたことがあるから、それかしら。
娘と息子の問題にそれぞれかかずらわっていて、なんとなく解決したから気が抜けたのかも。
ああまた太りそうだ。気が抜けるたび、どこから空気が入るのか、体重がちょっと増す。
妊娠したんじゃないの?とママ友に聞かれ。マリアか。と笑う。
うちのヨセフはどこに行ってしまったんだろう、帰ってこない。
どこかで狩られていないといいな。
ああもうだめだ、全身がなんでこんなに痛いんだろう。明日のために、寝よう。
貨幣価値がわからないので、放任していたポケモンカード交換会。
本日もちまして、どんなに華麗なシュートを決めようと、ご褒美ナシに決定しました。
ええ、ええ、私がそう決めました。
手持ちのカードだけで交換を成立させる期間が必要だと思ったからです。
おばあちゃんからお年玉でもらった期間限定レアカード30枚パックのうち、キラキラしていた強いヤツは全部大放出。そしてその見返りにお友達が差し出したカードを、
「こんなカードいらないよ。これ誰も交換してくれないやつだろう。いいよ、また新しいカードを買ってもらうから」と友達から手渡されたカード三枚をその場で捨て(あわてたお友達はその三枚をはいつくばって拾い、自分のカードケースにしまった。正しいマニアの姿である)、その勢いで、
「おかあさん、三試合全部勝つのは無理だから、一試合にしてよ」
と王様気分で交渉しに来たものだから、おかん、切れました。
等価交換だと思わないなら、トレードするな。いいカード配って、いい顔したいだけじゃねーか。
阿呆にもほどがある。てめ、今度の強豪限定の試合出場はな、涙をのんであきらめた選手もいるんだぞ。カード稼ぎに行く場じゃないんだぞ。戦場なんだぞ。お前が欲しいのは栄誉か、カードか。
「カードかなあ」
サッカーの神様の逆鱗に触れて、もう得点などいれられなくなれ、この罰当たりめ。
あろうことかクリスマスにもらったロナウジーニョモデルのスパイクがポケモンカードだったらよかった、来年は絶対にポケモンカードにするんだーと友達に得意満面で話しやがった瞬間、私には天敵ムシキングカードの悪夢がよみがえりました。
まったく学習していない。
小僧も、いや、私も。むやみに買い与えちゃだめなんですって。
サンタクロースさんは、限定モデル、20センチの金色スパイクを探すために、どれぐらい苦労したのでしょう。そんなf罰当たりな小僧は、サンタさんの逆鱗にも触れて、もう何ももらわなければよいのだ。
……切れてます。
それとこれは交換できない。ーーというものがあるよ。
思い浮かべて、その理由を考えてごらん。
取り替えられないぞという想いが、「大切する」「大事にする」っていうことなんだよ、わかる?ときいてみました。……けど。わからない感、漂いまくり。
私も母親としてわからない感、丸出しだもんなあ。説明が難しすぎるんだもん。
なので、とりあえず、新規を買わないところから始めます。手持ちカードでどれだけ楽しめるか、試してごらん。
あー。豊かな時代の心貧しき問題です。
ポケモンカード、っちゅうもんがあります。
ムシキングと違うのは、一回ゲームして100円次回使えるカードつき。
ポケモンカードの方は、11枚1セットで300円、ずっと廉価ですね。カードでゲームができるのだそうですが、実際にゲームしている姿を見たことはなく、ひたすら交換会でお楽しみのご様子です。
取引を聞いていて胸痛むのは、ムシキング同様、福助君、かっぱがれているところです。
貨幣価値を持たないのでムシキングほど親が入り込む余地がないのですが、これいいでしょう福ちゃん、これ欲しいよ福ちゃん、と、強気で迫られるとつい押し倒されてしまうらしく、割とあとでくよくよしています。ほとんどポケモン見ないから、まずどんなポケモンがいるか、何がレアかも、わかっていないんだよなあ。それでもカードトレードは楽しいらしく、福助は何かあるたびにカードをねだります。
それもまた、君の個性だから、かっぱがれるだけかっぱがれなさい。そのうち気づくだろうし、気づけないならその分別のところで稼げるようになればトントンです。生きていくのに必要なお金なんて、そんなにたくさんは必要ない。
ボクにはなぜお小遣いがないの、あったら毎月ポケモンカードが買えるのに。
とぬかしやがったので、お金というのは仕事をして稼ぐものだ、お父さんがひーひーいいながら稼いだ大事なお金を毎月そんなくだらないものに支払うつもりはないといったところ、じゃあボク仕事するよ。いい仕事するから、見てて。足で稼ぐよ。と、サッカーでの得点を彼の仕事と決めたようでした。
ご褒美、だわな。
それは、仕事とは、違うわな。
でも本人、「ここで一点入れたらポケモンカードね」と勝手に宣言して、目の覚めるようなシュートを打ち出した。もともと男に貢ぐ体質の私としては、ついうっかり彼のペースに。でもそうすると毎日300円出て行くことになるので、「チームが勝ちその上で得点したら」「チームが無失点で得点したら」「ハットトリックで得点したら」とハードルを徐々に上げていってますが、とりあえず何度かのトライでゲットし続けてます。ああんもう、次、何にしよう。
で、先日「横綱になったよ〜、カード買って」というので、君の仕事はずいぶんマルチなんだなあと思いました。サッカーだけじゃないのかよ。
でも結局肉体派。
園内相撲大会で、それはそれはすばらしい勝ち方をしたらしいです。
こんなんだったんでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=V6RFlDDiNU0&eurl=
まさかね。
しかし一度優勝したぐらいで、ポケモンカードはちょっと……。
「おかあさん、じゃあさ、おかあさんがうっとりしちゃうシュートを一本つけたらどう?」
うぉぉぉぉぉ。おかんのツボをよーく知っている。
かっぱがれてもかっぱがれても、それを稼ぎ出してくれる女がいれば、世の中は廻る。生きていくのに必要なお金なんて、多分、そんなにたくさんは必要ない、んー、必要ないんだと思います。ああ、主婦の小遣いが消えていく……。
ペーソスという平成歌謡のデュオというかトリオというか、を見た。
パンチのきいた歌詞にノックアウトされた、私と魂の姉妹・うみのやよい。
だって、ホッピー飲んで憂さ晴らし〜♪ですよ。絶妙に微妙なハモいれて。
ライブ、行こう。この人たちの歌をもっと知りたい!
どこかで見た顔だなあと思いつつ腹を抱えていると、メンバー紹介のときに、「島本慶」……ややや、やはりなめだるま親方!ではございませんか。なんとなめだるま親方が!
瞬時になめだるまを連呼する、私と姉妹。どんな半生を送ってきたんだ、ゆう子とやよい。
なめだるま親方は、一方的によく存じ上げていた。
まだアルバイトの身の上のとき、私は恩義ある方から「鈴木、お願いがあるんだけど。ちょっとモデルやって」と頼まれた。9号サイズの若い女は、普段ジャージ着て牛丼食べて事務所に寝泊りしていても、ちょっとした雑誌のモデルの内職ができたのである。
頼まれた仕事と出されたご飯は断らない。「脱ぎませんよ」「いらない。ちょっと顔だけ貸して。一万円」「やらせていただきますよ」即答である。当時のギャラが月額10万、家賃が三万五千円。1人暮らしの18歳の一万円は、ただの一万円とは一万円が違うのであるる
そして私はなんか化粧品みたいなものを持ってスタジオでにっこり笑った。「鈴木、お願いがあるんだけど」「脱ぎませんよ」「いらない。公正取引委員会うるさいから、ちょっと名前だけかして。一万円」「使ってくださいませよ」即答である。
そして撮影終了後、「鈴木、お願いがあるんだけど」「脱ぎませんよ」「いらない。ちょっとこのモデルの、体験談捏造していい?一万円」「何書かれても文句言いませんよ」私はこの日、三万円という大金を手にしたのであった。
後日、私はなめだるま親方とともに、スコラという当時大変売れている雑誌に載っていた。
早漏スプレーを手に持ち、にこやかに微笑んで。
そして、鈴木ゆう子さんは語るのだ、「肉体派の男性も大好きだけど、頭脳派の男性も大好き。この早漏スプレーを使ったら、とにかく大好き!」(超訳)
三万円というお金は、当時、本当に大金だった。
お目にかかったことのない「なめだるま親方」とそのスコラ誌で微笑む「鈴木ゆう子」さんは、記事の上ではおそらく、深い仲なはずなのであった。
当時の広告なんてそんなの当然だったのだが、今の広告はどうなんですか。JAROさん?
ほどなくして、高校の同窓会があった。
私はありとあらゆる男子に「お前、東京で何やってんだ」と悲しまれたり笑われたり心配されたり叱られたりした。めんどくさいけど、将来のために、私は必死で訂正してまわった。
当時スコラはそれほどまでに影響力があり、なめだるま親方は彼らの「兄貴」なのであった。
二十代も半ばの頃、月刊プレイボーイのグラビアのノベル部分を書くことになったときに、同窓会があった。今やっている仕事をきちんと報告したが、風の便りでは私はプレイメイトということになっていた。……めんどくさいしそれなりに光栄だから、もう訂正しなかった。偉大なり、なめだるま親方。
そして、二十二年を経て、ついでに十二キロ増やして、私は初めて、深い仲であったらしいところの、あるいは故郷での私の噂に彩を添えてくれたところの、なめだるま親方を生で見たのだ。
なめだるま親方は、客席から熱いまなざしを送る私に気づいてくれただろうか。
14日といえば、バンアレン帯を思い出す、江口ファンの私。(名作・「すすめ!パイレーツ」より)
もちろん、ポカスカジャンのノン様にチョコを送る日。
おっとどっこい、相方にだって忘れない。
そんに日に、中野まで喬太郎の独演会に行きました。
今日は、好きな男に想いをはせる日でございます。ご贔屓がいっぱいいるって、なんかとってもうれしいわ。
魂の姉妹うみのちゃんと一緒に笑って泣いて、その後飲み屋で、喬太郎師匠に羽織を作らせていただきたい、まずは染め抜きの手ぬぐいあたりからどうかと、将来の野望「タニマチ」になりたい話が弾んで午前様。
私たちは女としての基本が何か間違っているような気がします。
久しぶりに飲んじゃったから言ってることが支離滅裂ですが、それもまたよし。
眠い。お酒飲むと、眠くなるのね。
というわけで、福助のチョコ話などは、全部明日に。二日酔いが怖い……。
と書き残してコト切れまして。今朝は、きちんと起きたものの、なんだかボーっと。
本日午前中幼稚園、午後から学校だった!
フルタイムおかんジョブは、なかなか忙しい。
現実を思い知り、仕上げの焼酎「黒馬のあそこ」はやめておけばよかったか、いやそんな名前の焼酎を見かけて飲まないでは女がすたるだろうと、思ったり思わなかったり。
花粉がだるさに拍車をかけるけど、今日も一日元気にGO!
だって私はおかんだから。
おかんである前に女でいたい気もするけれども、これも渡世の義理だな。
お気に入りの男たちを心の中にいっぱい抱えてるあたり、ゴージャスな女じゃん。それでよし。
去年、別れたつもりだったのに。
もう、二度と振り返らないつもりだったのに。
私からさよならを言うことは許されないのね、体が覚えてしまっているから。
チクショー、花粉め!
去年はあれですか、どこぞで杉の木の大量殺戮でもあったんですかね。症状、ほとんどでなくて、40代になったらアレルギーでなくなるらしいなんて噂を鵜呑みにしていたんですけどね。
来た来た、きやがりましたよ。
今年はなーんの対策も講じていませんでした。だから今モーレツに目が痒い。モーレツにくしゃみが出る。微熱に、アトピーに、この眠気は何よ! 熊だってそろそろ目を覚まそうって時に、なんだって冬眠モードなのよ。
なんとなく、許せん。もう四半世紀のお付き合いだが、この不意打ち感、ものすごく腹が立つわ。
虎刈りの話ではなく。
小僧のうわさが先行しているのは知っていたが、ああこういう目で見られるんだなあと思う。
駅前でちょっとしたお祭りがあったので、子どもたちと一緒に出かけていった。
久しぶりに会うP子の幼稚園時代のママ友や、偶然会った習い事で一緒だった人。なつかしいねえの挨拶のあと、おずおずと聞かれるのよ。
「福助君は大丈夫なの?」
「小学校、普通にいけるんでしょう?」
うん、大丈夫よ。とにかく彼を見てやってよ、普通に、普通だから。
私の場合はそこから息子自慢が始まるのでまあいいようなものの、笑いで切り返すのが大好物の私ですらこの手の好奇の目があんまり次々繰り出されるとボディブローのようにへこむことがある。
当然、性格的にカミングアウトできないタイプの人がいるのもわかる。
ぶっちゃけ、説明、めんどくさいんだよね。障害児のいる暮らしにはもれなく説明の義務がついてくるとなると割としんどいかも。
息子が特別製だということを常に意識して暮らしているわけではないからさ。
これ読んで。って、パンフレットでも持ち歩くか。そういうパンフ、作ろうか。
福助の華麗なるシュート集! ……違うか。親ばか炸裂しすぎか。
私は、遠巻きにして「変わった部分」をちらちら探されたり、あるいは腫れ物に触るみたいになってるよりはズバリ聞くわよなタイプの人のほうがずっとずっと付き合いやすいし気楽なんだが、同時に、この先もずっと「診断名」が付きまとい、大勢の人から大丈夫か大丈夫か聞かれるのは、正直、厄介だなあとも思う。
大丈夫か聞いてそれを寿いでくれる人が大半なのでこの地域にはできた人が多いというか、私の人徳かなとホクホクしたりもするんだが、中には福助が普通学級で迷惑をかけないかどうか無意識で探ってる失礼な人もいるんだよね。
なんで知ってるの?という人にまで同情の目を向けられたりして、噂は千里をかけるのだなあと思う。噂を鵜呑みにして話しかけてこない悪意の人は潜在的にどれぐらいいるんだろうかなんて想像すると、怖くなる。
いやもう、そういうのには慣れたし、むしろ世界中の人に向けて「自閉症って天才の別名ですよ、ぜーんぜん怖くないし、嘆く必要なんかないですよー」と、こうやって言い続けたいわけだから、説明を求められれば、それはね、喜んで引き受ける。
こういう不便もあっての障害だ。
たとえば、告知で絶望の淵に立つのは無知と偏見のなせる業よ。ああなーんだ、ちょっと困ったり面白かったりする、そんな種類の子だったのねぇ。それじゃそこに焦点合わせて、育てていきましょ。ぐらいに思えたら、親も子どもも楽になる。親が隠したり、否定したり、苦悩したりする必要も、そんなにない。いやまあ、普通じゃないんだからショックはあるけどさ、特別ってことは、マジ、悪いばっかりじゃないんだからさ。
多少、不便はあるけど、別に不幸じゃないもん。不幸になってるなら、それは子どものせいじゃなく、自分のせいなのよ。福助のおかげで、家族や仲間には、笑い合う回数が飛躍的に増えている。
福助自身に、または病気に、悪意なく興味を持ってもらえたら、それはありがたいことだ。
福助に触れてくれた人は、偏見が少なくなる。
病気の特徴を大変だという人もいれば、うらやましいといってくれた人もいる。
もう一度自省することで、個性豊かな自身と病気の関係を考えてくれる人もいる。
どんな子どもだって自分の子は特別だといった人もいて、私は私だけが大変なんだと考えなくなった。
見えなかったことが見えてくる。支えているつもりで、支えられていく。そんなことまで立ち話では言及できないけれど、私は福助に興味をもち、関わってくれるすべての人に感謝したいと思う。
そこから、もうちょっとだけ深く知ってくれたら。
少しばかり普通と違う、特別製の子どももいるけど、そもそも、みんな違うんだし。違うことが普通。どこにケアしたらいいのか、説明なくても大丈夫。という世の中になってくれると、いいんだけどな。
そんな日が来ることを祈りつつ、私はとにかく説明し続けようと思うよ。
「ねえ、小学生よりサッカーのうまい幼稚園児がいるって別の幼稚園で評判になってるって知ってる? それ福助よ、同じクラスよ、本当にうまいのよって自慢しちゃったわよ」
と、以前、幼稚園のママ友に言われたことがある。
同じことだ。福助は噂になって、囁かれる運命にあるのかもしれない。
でも、いい噂というのは、悪い噂より足が遅く、声が小さいみたいだ。そんなこと、誰からも聞かれなかったんだ、お祭り会場では。まあ、自慢全開になってもいけないので、こんな程度でちょうどいいのかも。
悲しいことがあると 開く皮の表紙……
卒業写真の季節ですね。
本日、幼稚園に出かけたところ、写真屋さんがきておりまして。
撮影は身体測定の下着姿と聞いていたので、脱げばバッチリ勝負パンツの福助君も、上着はお下がりへとへとでした。
そしたらね、写真屋さん不穏な動きしているんだよ。どうもポートレートを撮るらしいんだ。今日。だってレフ版持って天然光のいい場所で、椅子設定しているからね。
昨日の夜。
小僧が「卒業式は坊主頭がいいかなあ」などと言ったものだから、相方が酔った勢いで小僧を捕まえ、「俺に切らせろ」と小僧の髪の毛を刈った。当然酔っているから、虎刈りになる。密林でハンターにみつからないほどにダマダマアタマになった福助に、大丈夫だよ、今日一日だけ我慢しな、あとで床屋さんでバッチリかっこよく仕上げてもらおうねと言い含めて、深く園帽を被らせ、登園したのだが。
一生、虎刈りが記念に残ることになりました。
笑いの神様がついている、ってことで、ひとつ。
姪はお年頃なので、年齢相応に父親を疎ましがる。
しかし学費を出してくれるのは父親なのだからとたしなめてみる。
私が高校時代にそんなことを叔母から言われたらぶち切れただろうなあと苦笑いだ。
それがなぜ父親に敬意を払うべきことなのかピンとこないようだったので、私たちの仕事におけるクライアントの絶対性について語ってみた。
得意げに鼻膨らませて語っていて、だんだん悲しくなってきた。
私は姪の年で愛のない故郷を捨て、1人で働いて1人で生きてきたことを誇りに思ってきたのだが、それはつまり、お金にひれ伏して得た対価だったのである。わがままなクライアントの意向に対して腹を立てたことは一度もなかった。それが仕事だと教えられたからだ。そのかわり、頂いた多額の原稿料を湯水のように使ったりダメな男に貢いだりして、精神の均衡をとっていた気がする。帰ろうと思えば一時間で帰れる故郷があって、家を出て四半世紀、数えるほどしか帰ったことがない。
不毛だ。
姪の父親の頭よりも不毛だ。彼の頭にはまだ象の赤ちゃんの産毛ほどの毛が残っているが、私の貯金通帳には吹けば飛ぶような小銭しか残っていない。
姪の将来の話になったとき、姪は先のことなどわからないと言った。野心家だった18才の私に比べれば堅実といえるかもしれないが、夢と野心は若い身を律するのに不可欠な武器だ。だからこそ、進むべき指針を持たずに都会に出てくることに、私ははらはらする。そんなあいまいな未来に莫大な資金を提供する親の立場を考えてしまう。
しかし、話し込んでいくうちに、彼女にはひとつだけ明確に持っているビジョンがあったのだ。
「お父さんが倒れたら、お父さんの面倒は、うちがみるさ」
いやだけどなあ、と笑いながら、そこだけは何をどう聞いても、決してぶれることがなかった。
すごい。
君は、おばちゃんが18で独立したときよりずっと、立派な志を持っているよ。
入試でもなければ姪とこんな濃いぃ時間を過ごすことなどなかった。おばちゃんはそんなところに感動して入試の日々を満喫しているよ。来年も来いよ、とは言っちゃいけないんだろうが。
髪の毛があまりにボサボサなので、輪ゴムで前髪を縛り、後ろを編みこむ。おくれ毛はヘアピンとワックスで固めて、化粧して、階段を駆け下りた。
姪、つかの間の休日。執事は馬車を出します、お姫様。
吉祥寺を現役女子高生と一緒に気取って歩いていたら、なぜか輪ゴムがはじけて飛んだ。後ろをとめていた輪ゴムも切れる。なんでなんで?
いっきにオタクのような髪型が出来上がり、あわててヘアピンで前髪をクレッペにしたけれど、今度はなんだか落ち武者のよう。こんなザンバラ頭でオサレな街を歩くのはイヤだぁっ。
小僧のお迎え時間がやってきて、お姫様と吉祥寺で別れ、走る走る落ち武者。
駐車場代が惜しくて、大急ぎでデパ地下で買い物したが、二時間無料券に届く金額が足りない。
走り回ったけど、必要なものがない。または高い。普段安売りスーパーでお買い得品しか買わないから、デパートの品物は全部高い。
こういうときは迷わずお米だけど、お姫様は食い扶持ご持参でやってきたので、我が家には一俵の米がある。お米券は置くの方に行かないと買えない。
今までならお酒という選択肢もあるけど、今は禁酒中。
ええい、とりあえず2000円分欲しい、あらこれ1000円だ、よしこれを買え。
ってどうかしている、銘菓ひよこのニ箱買い。レジのこんなにそばに置いてあるなんて、絶対に何か狙っているなと思いつつ、でも落ち武者は考えないの、ただ走る走る走るのみ。
姪が帰るときの土産決定。実家にひとつ、仲人にひとつ。芸は無いけど、所詮、落ち武者だから。
それでも支払いに並んで、エレベータが来なくて、うろうろしていたら5分オーバーしたのね。で、250円追加ね。だったら、ひよこかわなくて最初から走ればよかったのね……落ち武者らしく。
小僧のサッカースクールに行く、電話で指示して小僧に準備させ、家から待ち合わせの場所まで自転車でしゃかりきこぎ。リン(仮名)とこうくん(仮名)を乗せたママ三人で走りながら、なんかこう、子ども乗せて毎日何キロ走っているのかなあと思う。
終了後、公園で球を蹴りたいと言い出したので、スペシャルなボールをとりに帰り、また公園に戻る。暗くなるまで犬コロのように球を追いかける三人を見ながら、どんなに街を、道を走ったところで、彼らの運動量にはとうてい及ばないわと思う。男子というのはまったく疲れない生き物なのね。
小僧、先日の大きな小学生の大会で、金メダルを逃した。銀メダルで喜ぶチームメイトの中で泣き、おにいさんたちに慰めてもらう。
チームプレイってこういうところがステキだわと思わぬ光景にうっとりしながら、小僧がサッカーをやる気になってくれたのがうれしい。
「ボクは必ず金メダルを取るよ!」
と宣言し、イヤそのチームはもうやめる手続きしちゃったんだけどと言い出せず。
また幼稚園でもボールを蹴り始めたので、安心だ。落ち武者、命がけで殿についてまいる所存でござる。
日が暮れたのでスーパーに買い物に走り、スーパーで走りながら納豆その他を購入し、やっぱり走って家に帰る。落ち武者のまま、甲冑のような脂肪をわななかせて。今日もいい天気。
……というのが昨日で。
子どもたちが寝静まった今になって、今日が節分だったことを知る。
しまったーっっっ!
豆もお面も用意していたのになあ。
謝恩会の構成台本書いていて、ぜーんぶ滞った。
一日中、止まらなくなっちゃってたわ。こんなのって久しぶり。
「それ」に夢中になると、他のことが見えなくなる。
まあ、夢中になれる「それ」に出会えたわけで、とてもステキな娯楽の一日だったんだけれども。
でも、幸せなのは私一人で、まわりの人には、いい迷惑だな。
書きたいことがブログでもいっぱいあるのに、ああ、時間が欲しいなあ、ひたすら時間が。
……しょうがない、長生きしよう。
あ、舟こいでた。眠いのよー。
じゃあ、今日のところは、とっておきをひとつだけ。
福助、IQ検査のときに、先生の後のお話を続けてね。という課題に臨んだ。
「魚は水中を泳ぐ。じゃあ、飛行機は?」
と聞かれ、
「泳がない」
と即答していた。
ま、間違いではないんだけどねぇ。
明日は姪、つかの間の休息。私の方は一族揃って小僧のサッカー大会だ。
喘息みたいな咳してるんだけど……いけるのかしら。
小僧にとってサッカーがまた、私の「それ」みたいになってくれるといいんだけどな。もちろん、周りを不幸にしない程度にね。
さあ、夕飯の洗い物だわ、今から。
仕事でお尻に火がついている相方、まともにご飯を食べる時間もとれない。
地下室にこもって、日がな一日、トンカラリとはたを織り、もとい、カリカリコリコリ漫画を描いている。
大変な仕事である。身を削って、一心不乱で描いているのだ。
ずっと同じ姿勢で描き続けるので、あちこちが痛むだろう。仮眠のベッドで腰を痛めたともいっていた、まったく締め切りは健康に悪い。
台所で水仕事をしていたら、相方の呼ぶ声がする。
「ゆう子、ゆう子ぉ」
どうしたのだ。とうとういかれて、どこか動かなくなったか。
地下室と台所をつなぐ秘密の扉,どこから見ても地価収納庫のふたにしか見えないフタ部分が、相方の私を呼ぶ声とともにがちゃがちゃと開く。
「ゆう子、俺さ、わかっちゃった」
ユーレカは、囚人のようだった相方を、こんなにもニコニコさせるのね。よかったね、よかったけどさ、じゃあいったい何がわかったの、またどこぞの筋肉の動かし方でも? もうやせマッチョ自慢ならいらないよ、私も豊満攻めするよ、とか思いつつ顔を上げると、
「見てみて〜」
と、思わせぶりに背中を向けている。そして、やおら、
絶句。
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
一瞬の間があって、叫ぶ、私。泣く、私。何で何で、涙が出るの?
そこには帽子をかぶってめがねをかけて微笑む、ノン様がいた。
ノノノ、ノン様。私のノン様が。ノン様が。私のいとしのノン様は、ポカスカジャンのリーダーで、ごく最近、ブログも開設し、ロックバンド「EDN」〔読み・アイドントノーズ〕で初ライブも大成功させた、素敵な素敵な……
ああ、ショック。いくら目が悪いとはいえ、一瞬うはあノン様っと思った自分が許せない。つか、混乱していて何がショックなのかわからないまま、うわあうわあと叫びながら泣く。
何がショックなの?>私。
ヨン様ファンだとして、冬ソナカツラを被ってマフラーをミニョンシ巻した本物の彼氏がそこに雪だるまを抱えて立っていたら……と考えてほしい。
それがまた、ちょっと似ていたりしたら、どうしますか。貴女!
何度でもいう、私にとってヨン様はぺでも、ノン様はノン様だ。唯一無二の、ノン様〔特大ハート〕だったのだ。世の中そうそう、〔様〕な人はいないが、数少ない、そんな〔様〕なのだ、ノン様は。
ショックだ……そのうえ、どうもフリーズしたらしく、どんなに考えても何がショックなのかわからないのだ……。未だ、なんかものすごーくショックなんだけど。
でも、これだけは言える。
仕事というものを、もっときちんと考えなきゃダメだよ、お父さん。
幼稚園は謝恩会のシーズンです。
台本書いてて、泣けて泣けて仕方ない。
私は、ひょっとして天才かもしれないと思う。
で、しばらくして読むと、別にそんなに泣ける内容でもないし、まあ十人並みの才能だということがわかる。
それでもこれを演じる人はあの人とこの人か……。ああ、彼女がこんな台詞言ったらきっと泣く。
主婦は意外なところで芸達者だから怖い。
結局、みんなとお別れがつらくて仕方ないのだ。卒業、別れ、さようなら。そう思っただけで、涙腺が決壊する。
大人になったら友達なんて簡単に作れないから。と、当時私のまわりにいた大人は言ったけど、そういう生き方だったってことだ。大人になったって、本当の友達はできる。あたりまえじゃん!
むしろ人を好きになる力は、若い頃よりずっと強い。人を許す心の広さだって、経験値に比例して、ゆるゆるし放題。
こちとら、子どもを産んで育ててるんでぃ。四六時中、無敵の愛にまみれて暮らす、専業主婦でぃ。
こんな豊かな心が交流しあって、友達になれないはずがないのだ。
離れてしまっても、いつも心に住み着いている友達というのもいる。何かあったときに駆けつけてくれる友情の形もある。いつもそばにいられなくても、バカ話で笑い合えなくなっても、私が大好きだという気持ちが変わらなければ、友達はずっと友達だ。
ダメだ、ありふれたこんな一言で涙が。アホだ。
今日は寝て、明日また昼間に、考えよう。
幸い、泣くと、眠い。
お酒を強引に飲ませて、事故死に見せかけた事件があった。
そのニュースを福助と一緒に見た。
「なんていってるの、おかあさん」
「お酒いっぱい飲むと、しんじゃうんだよ。そうやって、いっぱい飲ませた人がいて、いっぱい飲んだ人は死んじゃったというお話だよ」
多少意訳だが、子ども相手に殺戮の明細を語るのもアレだし。
「そうか。お酒は怖いねおかあさん」
「そうだねぇ」
「やっぱりぼくの言ったとおりだよ。おかあさん、この前飲み会でお酒いっぱい飲んで、殺害しなくて本当によかったよ」
……ええーっと、単純に「死ななくてよかった」で、いいと思うよ。
最近の福助は、無理に難しい言葉を使おうとする。
「餃子には、たんぱく質が入っている? じゃあ、カリウムは? じゃあナトリウムは? じゃあニラは?」
確かに、全部入っているけど、ちょっと違う。
「なんでぼくのお父さんは家にずっといるの。働くって、そういうことじゃないよ。働くって、どこかに出かけていくんだよ。働くってことを、お父さんもちゃんと考えないとダメだよ」
キッザニアという、子どもの職業訓練所アミューズメントパークに出かけて、それはもう必死でいろいろな部署に並んで精一杯働き、稼ぎを入金してクレジットカード作って、おみやげひとつ買うわけでもなく、財布とゲンナマだけをお土産に持って帰ってきた、福助の言葉であった。意外に渋ちんな働き者なのね。
微妙に勘違いしている気はするが、働く、ということを、ちゃんと考えることにするよ。
さて、姪の受験だ。
こっちには、どうか間違いがありませんように。
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