2007年02月26日

Hello Kitty

サンリオの、いや、日本を代表するアジアの愛されキャラといえば、キティーちゃんであることは疑いがない。
少なくとも私は疑わない。
さすがにキティラーになろうと思ったことはないが、正しい日本の少女として当然キティがついた小物のひとつも持っていた。

その金物屋さんの親父さんは年のころなら70歳ぐらいだった。近所のスーパーの店頭を借りて、「ドライバ1本30円」などという破壊的な価格で年代モノを売っていた。おそらく、ご勇退前の投売り状態なのだろう、随所に置かれた超特価の手書きの文字も、白い厚紙にマジックでゴリゴリっと、昭和テイストのいい味わいだった。
親父さんは店に入る人に一通り声をかけていた。
渡世の義理に篤い私としては、声をかけられれば一応見るのである。

そこで私の目が釘付けになったのが、ハローキティのタッパーだったのだ。
パチモノではない、ちゃんとしたキティキャラがついている。
ピンクで色味もとてもかわいい。何かバルブがついているあたり、最新型真空パックでもついていたのかもしれない。最新型すぎて、この親父さんには扱いきれなかったのか。お弁当箱にどうだろう、値段はいくらだ、場合によっちゃあ買ってもいいなと思いつつ、目で価格を探す。
キティちゃんの箱の上にそれはしっかり貼ってあった。白い厚紙に黒マジックではっきりと
「大特価品 ミーコチン 600円→300円」
……ん? ミーコチン?

確かにキティは猫である。ミーコといえば、タマに次いで猫に多そうな名前ではある。
親父、ずいぶん強引に名づけたな。
ミーコだけでもよかったのだろうが、アジア代表の威厳は親父にも伝わり、敬称チンにつながったにちがいない。チャンじゃないところにセンスを感じる。
それにしても誰か、この親父の暴走を止める若人は傍らにいなかったのか。
親父にとっては、キティは「ミーコチン」として、おそらく昭和平成激動の混乱期を乗り超えてきたに違いない。んー、どうですか、ミーコチン。「こんにちわミーコチン」。

念のため申し上げれば、ミーコチンは、ミッフィーではない。ミッフィーは帰化名がうさこちゃんである。

2007年02月26日 23:46
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