2007年01月23日

ヘタレ福助

楽しいサッカーができた。
と、得点のご褒美にポケモンカードまでおねだりして、ああいい終わり方だったなあ。と、思っていた。
あとはスクールのでっかいのがひとつあって、そこで悲願の金メダル…と思うが、それは小学生としてエントリーなので、経験を積ませてもらえれば。さあ、次のサッカー進路はどうするのかな、なんて思っていた。

帰宅後、彼はぐりぐりとテニスの絵を描いた。
サッカーのフィールド以外の絵を描いているのはきわめてまれなので、
「どうしたの?」
と聞いてみた。その絵を掲げて、
「今日でボクはサッカー、引退します。次はテニスだ」
高らかかつ晴れやかな引退宣言であった。

ベッドに入って事情を聞く。
にこにこ話していたのが、だんだん曇っていき、そして最後はこらえきれずに泣き出した。
本気モードだったこと。もう走れないぐらい走ったけど、守って攻めるのは無理だったこと。初めて大量の四失点もしたこと。六本放ったミドルシュートが枠に嫌われたこと。
でも、福助らしいシュートも、超ファインセーブも、四点差で負けたところに勝ったチームに勝ってるんだし、いいところはたくさんあったじゃないか。うん、それはそうかもしれないけど。と、福助。そして号泣。
戦いたい常勝チームがあったのに、その対戦チームのメンバーに入れなかった。
「どうしてボクははずされたの。どうしていつもリン(仮名)と組めないの。いっぱい練習していたんだよ、リンがとってパスを供給してくれたらもっと前にいけてシュートがたくさん打てたのに」(涙)
そこから大好きな仲間の名前がごろごろ出てきた。もちろん福助チームにも信頼のおけるMFやGKがいる。十一人制ではないのだ、U-6は指定された人数で、2チームエントリーしたのだから、自分のチームを自分で選べるものではないし、同じ幼稚園の仲良しのお友達だってチームメイトだったじゃないか。リンとは普段、取り立てて仲良しというわけではない。
「好きとか嫌いじゃないんだよ、なんでわかんないの。ボクのサッカーができなかったの!」
……お前、本当に言語療法が必要な、特別支援枠の子なのか。 サッカーについて語るときだけ、限定で、福助はすごい子になる。
でも、すごいこと言ってるからごまかされて思わずもらい泣きしちゃったけど、根っこは勝利へのこだわりと、それが叶わないからやめる超ヘタレぶりってことじゃないか。
自分のサッカーやりたかったら、もっと鍛えたらどうなんだ。誰かのせいにして、勝てないっていうのはお前、スポーツマンシップに反するだろう。卑怯者め、と、ちょっと思った。
とんとんとん。いくら食べても大きくならない、細すぎる背中を叩いてなだめながら、わずか二年のサッカー歴で彼はずいぶん多くのものを経験したのだなと思っていた。
じゃあしばらくサッカーは休めばいい。体を作ることも大事だし、運動しすぎだから。
Wiiをきっかけにやりたがっていた野球、キャッチボールとかトスバッティングならお母さんも付き合うし、と言ったら、断固テニスだという。
「テニスは、最初から1人だから」
……何か育て方を間違えただろうか。
泣きながら私の二の腕をもみ、そのまま眠りについた小僧を見ていて、私はどうしたらいいのかわからなくなった。

翌日。
幼稚園の先生に聞いたらいつものように園庭でサッカーボールを:蹴っていましたよとのことでひと安心。
ところが、くもんを休んで友達と遊ぶという。もうくもんもやめる、と言い出した。
結局、お友達のとりなしと説得(このあたりがうちの園の子のすごいところ)、さらに一緒に通い始めた子のお誘いで、教室には出かけていったが……。
ヘタレめ! カタストロフがきたらいっぺんに全部投げ出すのはなんとかならんのか。
スパルタンな母は仁王立ちしつつ、どうしたらいいのかまったくわからないで、途方にくれている。


2007年01月23日 11:12
コメント

はじめまして。
いつも拝見させてもらっています。

>根っこはいやらしいエリート意識と
ふくすけ君が言ってるのは、もっとスポーツマンとして純粋な気持ちじゃないのかなあ、と思いました。
それを、「いやらしい」と言ってしまうのは、少しかわいそうな気が。。。
それだけ、気になったので・・・
突然ゴメンなさい。

Posted by: カワニシタカ : 2007年01月24日 00:50

ありがとうございます。
そういう見方もあるんだなと、擁護していただいたようでうれしかったです。
親はこうやって偏狭なものの見方を拡大していくべきなんだよな。そうか、勉強だなあ。

やりたかったプレイ、というのがあるのでしょう。
いやらしい、撤回します。ありがとう。

Posted by: ゆう子 : 2007年01月25日 09:27
コメントする











名前、アドレスを登録しますか?