2006年12月12日

とんかつ

おねえさんも、五枚?
と、若いカッコイイお兄さんに聞かれて反射的にうなづいてしまった。
「五枚」」にではなく、「おねえさん」に、体が反応したのである。おねえさんと呼んでくれる人のためなら、五枚でも十枚でも買うのである。
貢ぎ体質は基本的に不滅なのかもしれない。

かくして、肉団子とコロッケを買うおばちゃんの予定は変更された。五枚千円に割引された揚げたてとんかつを無計画に購入してしまったわけで、おねえさんは大慌てで帰宅した。でも大丈夫、おねえさんだから、走れるの。

ところが帰宅してみると相方は取材で夕飯はいらないのだった。
P子もノロにやられてピーピーでおじやしか受け付けないのだった。
朝、しっかり復活してサッカー部の練習まできっちりこなした福助、揚げ物大好きなのに半分で挫折。結局、私だけがもりもり食べたが、それでも三枚残った。

そのうち一枚を今、カツ丼にして食べ終えたところ。
私は肋骨関係で病院に行っていたので、相方は当然昼ごはんには期待せず、朝いちの打ち合わせのついでにブランチした様子。
「なんでこんなに帰宅が早いの?」と聞かれ、一時間待って呼ばれて、今日は担当の先生がいないので受診できないと告げられて帰ってきたのだという腹立たしい事実を話していたら、無性に腹が減った。
ストレスが大きいと私は腹が減る。
この大きな体は、実は見えないストレスの屍骸の山なのであろう。気軽に痩せたらいいのに、などといわないでほしい。それがまたストレスになり、さらに肥える。肥え続ける。
かつ丼はおいしかったけれど、ずーっと整形外科の待合室で老人に囲まれて座っていたせいか、今日はおねえさんモードからおばあちゃんモードじゃ。なんだかちょっと胃にもたれるのぅ。

とりあえず二枚は冷凍にした。冷凍にしたら、永遠の命。
口のおごった相方と娘は食べないだろうから、私がこそこそ頂くわ。

でも、ぱつぱつに太っているから肌なんか血色よくて、年齢がわからなかったのかも。薄暮だし、シミはぼさぼさの髪で隠れている。幸い、白髪は一本もない。
これが痩せちゃったら、きっとしわしわよ。とんかつなんか、間違っても食べそうにないご老人に見えるわよ。
おにいちゃんに「おねえさん」と声をかけられることもない。
そんなの、つまらない人生である。
太っていると、年齢不詳でいい。冬場は特に、「きぶくれ」という便利な言葉がある。

というわけで、やせるのは、春になったら考えればいいんじゃないかな。
大人になるって、自分にうんとやさしくできることでもあるのだ。
相方はぐんぐん痩せていて、ダイエットしている人のいやらしい優越感でデブが愚鈍に見えてならないようだが、彼のきつい言葉の相乗効果で私はさらに肥えて行くみたいだし。
いいのいいの、肉は着てても心は錦である。
まあ、とんかつ五枚かって、結局一人で四枚半食べるようじゃ、当分減らないよな。

2006年12月12日 12:15
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