福袋はアンフェアな商品である

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早くも今年最初の仕事に行き詰まっているので息抜きにブログでも。

新年早々、Facebookで流れてきたニュースが「Nanoはありえない」という記事でした。
1月2日にAppleが毎年やっている福袋の中身が散々だった。という愚痴の日記。
Appleの福袋は3万円くらいするんですよね。3万5千円だっけ? たしかそれくらいするけれども、袋の中にはアップル信者にとってのお宝満載で、値段以上の満足度が詰まっている。「当たり」ならMacBook Airが入っていて、総額15万円を超えるものをある。発売前から大行列ができて、あっという間に行列制限が出るというシロモノです。
それを手にするために一晩中並んだのに、開けたら一番高いものは1万5千円程度のアイポッドナノだった。という記事です。
当たりもあればハズレもある。福袋はおみくじのようなものなので、それを嘆く個人がいること、当たったことを誇らしげに掲げる人、などが出てくることは当然です。

並ぶのが死ぬほど嫌いな教祖は、「福袋なんてものによく並ぶなあ」と思ってます。
時給3000円もらってもあんな極寒の地べたで何時間も並んで待つ仕事なんかやりたくない。
だいたい中身の見えない物によく何万円も支払えるものだと。
考えてみると、あれは「くじ」だから並ぶんであって、おみくじ気分で買うゲームなんでしょう。
並んでいる人たちも、自分の品物ではなく、誰かのためにお金で並んでいる「並び屋のロレンス」だったら、1万円もらったってやらないと思う。
「夜中の12時に鐘を108回ついてこい」という仕事は、相当辛い仕事なのに、年始に限っては行列ができるほど人気の仕事になる。
ことほど、仕事というのは、自分でやりたいことをやるのと、人からやらされるのでは大違いである。
という話をしたいのか。
違います。

福袋にはファンが多い。それは作っている企業が「利益を度外視して」売っている商品だからです。
東京の福袋は、売れ残りを詰め込んで、額面上は3倍以上するのでお得です、という「ガラクタ詰め合わせ」が一般的なんですが、仙台でそんなことをすると、1年間閑古鳥がなくらしいんですね。
福袋で損をさせてはいけない。
新年そんなことをお客に印象つけたらいけない。
ということで、Appleもびっくりなお得な物ばかり。というのが仙台の福袋だということを人づてに聞きました。いろんな戦略があるものだ。
まとめると、福袋は「今年を占う」くじとしての遊戯性があり、外れた人間はそのことを忘れないというリスクにより、企業側は「赤字覚悟でやらなければいけない」限定商品である。というものであるわけです。


当たりハズレがランダムなら問題ないが、確実に当たるのであれば買いたい。と思う人が多いので、いい福袋はすぐに売り切れます。
それなら人を雇ってでも並ばせて買いたい。と思いますよね? 
それをやったのが中国人でした。

高い商品を入れていることが知れ渡った結果、中国人の買い占め軍団が現れる。
それを「迷惑な」という記事にしてるんですが、

あたりまえじゃないですか。
誰だっていいものが安く売っていれば並びますよ。
中国人はなにもルールを破っていない。彼らがいいものを安く売っていることを知っているのは、それを宣伝した自分自身ですからね。
何も問題はない。
でもなんかもやもやしたものは残ります。
それはなんだろう。


寿司屋で粋な食べ方。というのがあるそうですね。
卵を食べてヒカリ物を食べて。なんていう順番がまことしやかにルールになっていたり。いや本当かどうかわからないんですが、トロを連続で食べる。というのは良くないこととされています。
なぜならトロは赤字の商品だからです。
もっと安いものを食べてもらわなければ採算が合わないのに、原価の高いトロだけを食べられてはたまらない。という「お店の論理」が、いつの間にか「粋」という話になってしまっている。
好きだったらサーモンばっかり食べればいいんですが、それは回転寿司ではできても、なかなか注文はしにくい。
かっこわいるし。
この「かっこわるい」というのが「世間」であり、空気だったりします。
「暗黙のルール」です。
お正月の福袋は、この一年を占う神聖な儀式に近い、いってみれば宗教行事に近いものであるのに、おみくじを全て買い占める、みたいなことを許していいのか。
もやもやはそんなところではないでしょうか。
そのような「わざわざ言わないけれどわかっていて当然」ということは、習慣、宗教、侘び寂び、色々あります。
中国人を迷惑な無法者呼ばわりしているのは、この「暗黙の」ルールを守らないことが多いせいじゃないかと思うんですね。
いや、暗黙ではないルールも守らない連中が多い。と言いたい人もいるでしょう。その線引は非常に難しくてなーバスな問題なんですが、とりあえず今日言いたいのは、

「福袋」という商品は賭博である。
「必ず当たる博打」を大人買いするのは当然の戦略。
「暗黙のルール」は地域性が高い。

ということで、ちゃんとしたルールを決めると、いろいろ面倒になるけれども、それがフェアなんじゃないか。
寿司屋も「トロは4カンまで」とかけばいいし、中国人の買い占め防止には「ハズレを半分入れる」ことではないか。と思った次第です。
そういう意味では最初の「Appleのはずれ」は正しいということですね(笑)